医療広告ガイドラインを、わかりやすく

2026年3月30日の最終改正と、事例解説書 第6版に合わせています。最終確認 2026年9月13日

院長の机に積んだ資料と眼鏡
写真はイメージです

先に要点

  1. 医院のホームページは広告規制の対象です。「これは広告ではありません」と書いても対象になります。
  2. 禁止されているのは、虚偽、他院との比較、誇張、体験談、誤認させるビフォーアフター写真などです。「日本一」「No.1」は事実でも使えません。
  3. 自由診療を載せるときは、治療内容・費用・リスクと副作用・問い合わせ先をそろえる「限定解除」の要件があります。
  4. 虚偽広告と、中止命令・是正命令に従わない場合には、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金があります。
  5. 2026年3月30日に、ガイドラインとQ&Aが最終改正され、事例解説書が第6版になりました。自由診療とSNS・動画の事例が増えています。

いまの文章を、その場で調べる

ホームページの文章、SNSの投稿、チラシの原稿を貼ると、ガイドラインに触れるおそれのある書き方を示します。貼った文章はこの画面の中だけで調べ、どこにも送りません。

貼った文章は、この画面の中だけで調べます。どこにも送りません。

そもそも、何が「広告」になるのか

ガイドラインは、次の三つがそろうと医療広告に当たるとしています。医院のホームページは、ほぼ例外なく三つともそろいます。

要件意味当てはまるもの
誘引性患者に受診してもらおうとする意図がある医院のホームページ、SNSの公式アカウント、チラシ
特定性医院や医師の名前が特定できる医院名、医師名。住所や電話番号から特定できる場合も含む
医療の内容医業・歯科医業、病院・診療所に関する内容診療内容、設備、医師の紹介、費用
出典 医療広告等ガイドライン 第2 1-1
  • 会員だけが見られるページも対象です。見られる人が限られていても、虚偽や比較優良の表現は認められません(事例解説書 (38))。
  • SNSは、プロフィール・投稿・返信のどれもが広告になり得ます。字数制限のために自分の投稿へ返信で続けた部分や、ハッシュタグも含みます(事例解説書 (39))。
  • 動画は、プロフィール・動画・タイトル・概要欄が対象で、テロップや音声も含みます(事例解説書 (44))。
  • 第三者が運営する口コミサイトへの書き込みは、医院が費用を出して掲載を頼むなどしていなければ、広告に当たりません(第3-1 1(6))。

禁止されている広告の早見表

種類どういうものかガイドラインの例根拠
虚偽広告事実と違う「絶対安全な手術です」「厚生労働省の認可した○○専門医」、加工した術前術後の写真医療法 第6条の5 第1項(罰則あり)
比較優良広告他の医院より優れていると示す「日本一」「No.1」「当院は県内一の医師数を誇ります」「著名人も当院で治療を受けております」同 第2項 第1号
誇大広告事実を誇張し、誤認させる「比較的安全な手術です」「知事の許可を取得した病院です」、根拠の乏しいリスクを強調する受診の誘導同 第2項 第2号
公序良俗に反する広告わいせつ・残虐な図画、差別を助長する表現など同 第2項 第3号
広告できる事項の外法律や告示で認められた事項以外「専門外来」、死亡率・術後生存率、未承認医薬品による治療の内容同 第3項
体験談治療の内容や効果についての、患者などの主観的な体験談「患者様の声」、口コミサイトからの転載、スタッフ自身の体験談医療法施行規則 第1条の9 第1号
誤認させるビフォーアフター写真説明が不十分な治療の前後の写真写真やイラストだけを示し、説明が足りないもの同 第2号
品位を損ねる広告費用の強調、医療と関係のない誘引「今なら○円でキャンペーン実施中」「期間限定で50%オフ」「無料相談の方全員に○○をプレゼント」ガイドライン 第3-1 1(8)
出典 医療広告等ガイドライン 第3-1 1

実際にどう書くと指摘されるのかは、違反事例の頁に、事例解説書 第6版から整理しました。

書いてよいことと、限定解除

医療広告は、法律と告示で認められた事項だけを書けるのが原則です。ただし、患者が自ら求めて見るウェブサイトなどで、次の要件をすべて満たせば、それ以外の事項も書けます。これを限定解除と呼びます。③と④は、自由診療の情報を載せる場合の要件です。

  1. 患者が自ら求めて見る情報であること

    ウェブサイト、メールマガジン、患者の求めに応じて送るパンフレットなどが当たります。

  2. 問い合わせ先を示すこと

    電話番号やメールアドレスなど、内容を照会できる先を書きます。

  3. 自由診療の治療内容と費用を示すこと

    通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間と回数を書きます。費用が決まらないときは最低額から最高額までの幅を示します。

  4. 自由診療の主なリスクと副作用を示すこと

    利点だけを強調せず、リスクや副作用も分かりやすく書きます。リンク先に隠したり、極端に小さな文字にしたりしてはいけません。

未承認医薬品を使う場合の追加の五項目などは、限定解除の頁にまとめました。

違反すると、どうなるか

  1. 見つかる

    通報、自治体の確認、厚生労働省のネットパトロールなどで見つかります。

  2. 調査と行政指導

    まず任意の調査として説明を求められ、広告の中止や内容の是正を指導されます。手順書のひな型では、回答の期限を2週間を目途としています。

  3. 報告命令・立入検査、中止命令・是正命令

    任意の調査に応じない場合や、指導に従わない・違反を繰り返すなど悪質な場合に進みます。

  4. 告発、管理者の変更命令、開設許可の取消しなど

    虚偽広告の是正に応じない場合や、命令に従わない場合に検討されます。

厚生労働省が自治体向けに示した手順書のひな型では、所要期間の目安を、調査と行政指導までが2〜3か月、中止命令・是正命令までが6か月、告発や行政処分までが1年としています。自治体が自らの手順書を作るための参考として示されたものです。

違反罰則
虚偽広告6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(医療法 第87条 第1号)
中止命令・是正命令に従わない6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(同)
報告命令に応じない・虚偽の報告、立入検査を拒む20万円以下の罰金(医療法 第89条 第2号)
出典 医療広告等ガイドライン 第5 4(2)エ

流れの詳細、他の法律との関係、通報と相談の窓口は、罰則と通報の頁にまとめました。

2026年3月30日の改正で変わったこと

  • ガイドラインとQ&Aが、2026年3月30日に最終改正されました。いまの正式な呼び名は「医療広告等ガイドライン」です。
  • 事例解説書が第6版になりました。厚生労働省の事務連絡は、自由診療で限定解除の要件を満たしていない事例と、SNS・動画での広告の事例を拡充したと説明しています。
  • 第6版には、SNS(プロフィール・投稿・返信)と動画(プロフィール・動画・タイトル・概要欄)の広告形態が、それぞれの節として整理されています。
  • 承認と異なる目的で医薬品を使う自由診療の例として、GLP-1関連の事例が載っています(事例解説書 (31))。

見落としやすい五つ

指摘される書き方

  • 当院は医療広告ガイドラインを遵守したサイトを作成しております(大きな文字や色で強調)
  • 厚生労働省の審査に基づき、指定審査機関から認定証を取得しました

改善例

  • 当院のホームページは、医療広告ガイドラインを遵守して作成しております(強調せず、サイトの下部などに記載)
守っていることは強調すべき事柄ではない、行政が保証しているように見せてはいけない、とされています(事例解説書 (4))。

指摘される書き方

  • 口腔管理体制強化加算施設として、厚生労働省に認定されました
  • 施設基準を満たし、国の認証を取得しました

改善例

  • 当院は、口腔管理体制強化加算の加算要件を満たした歯科医院として、届出済みです
加算は医院が要件に合うことを届け出るもので、国の認定ではありません(事例解説書 (13))。
  • 口コミサイトの口コミを、自院のサイトに「患者様の声」として転載する。体験談として禁止されます(事例解説書 (17))。
  • 院長やスタッフが自分で治療を受けた体験談を載せる。患者でなくても対象です(事例解説書 (18))。
  • 会員限定のページなら割引や比較を書いてよいと考える。見られる人が限られていても対象です(事例解説書 (38))。

この頁の出典(一次資料)

医療広告ガイドラインの頁