医療広告ガイドラインの違反事例

厚生労働省の事例解説書 第6版(2026年3月)から、医院のサイトで起きやすいものを整理しました。最終確認 2026年9月13日

夜の事務室の机
写真はイメージです

先に要点

  1. 事例解説書は、厚生労働省のネットパトロールで実際に規制への抵触が認められた事例などをもとに作られています。
  2. 第6版は第1章がウェブサイト、第2章がSNS・動画です。自由診療の限定解除と、SNS・動画の事例が拡充されました。
  3. 体験談は、口コミの転載、スタッフの体験談、口コミの編集依頼、直筆アンケートの画像、患者の主訴として書いたものまで、すべて対象です。

虚偽広告(罰則あり)

事例なぜ指摘されるか
「どんなに難しい手術でも必ず成功させます」医学上あり得ない内容(事例 (1))
「一日で全ての治療が終了します」(治療後に定期的な処置が必要なのに)実際の治療の内容と違う(ガイドライン 第3-1 1(1))
「当院における○○療法の発毛率は99%です」「○%の満足度」(調べ方を示していない)データの根拠を明確にしない調査結果は虚偽として扱う。謝金で意図的に誘導した調査も同じ(事例 (2))
加工・修正した術前術後の写真効果があるように見せるための加工は虚偽(事例 (3))
「厚生労働省の認可した○○専門医」専門医の認定は学会や専門医機構が行うもので、厚生労働省の認可ではない
出典 医療広告等ガイドライン 第3-1 1(1)・事例解説書 (1)〜(3)

比較優良広告

事例なぜ指摘されるか
「日本一」「No.1」「最高」最上級の表現は、客観的な事実であっても禁止(事例 (5))
他の医院と自院を比べて優れていると示す特定・不特定を問わず、他院との比較で優良と示すことは認められない(事例 (6))
「著名人も当院で治療を受けております」「芸能プロダクションと提携しています」著名人との関係の強調は、比較優良広告として扱う(事例 (7))
出典 医療広告等ガイドライン 第3-1 1(2)・事例解説書 (5)〜(7)

誇大広告

事例なぜ指摘されるか
「医療広告ガイドラインを遵守しています」を大きく強調する守っていることは強調すべき事柄ではない。行政の保証に見せる表現も不可(事例 (4))
「○○センター」と名乗る(救命救急センターなど一定の要件に当たらないのに)施設について誤認させる(事例 (8))
「○○手術は効果が高く、おすすめです」科学的根拠の乏しい有効性の強調による誘導(事例 (11))
「口腔管理体制強化加算施設として厚生労働省に認定されました」加算は届出であって認定ではない。「届出済み」と書く(事例 (13))
手術件数だけを示し、内訳を示さないデータの内訳が示されていない件数(事例 (15))
「比較的安全な手術です」何と比べて安全か不明(ガイドライン 第3-1 1(3))
出典 医療広告等ガイドライン 第3-1 1(3)・事例解説書 (4)(8)(11)(13)(15)

体験談(省令で禁止)

扱い
自院のサイトに載せた患者の体験談禁止(事例 (16))
口コミサイトの口コミを自院のサイトに転載禁止。医院に都合のよい感想を選んで載せるのは虚偽・誇大にも当たる(事例 (17))
院長やスタッフ自身の体験談、スタッフが書いた患者の体験談禁止。書いた人が患者でなくても対象(事例 (18))
口コミサイトの運営者に、否定的な口コミの削除や順番の入れ替えを頼む医療広告に当たり禁止。ただし名誉毀損などの不法行為に当たる書き込みの削除依頼は違反に当たらない(事例 (19))
患者の直筆アンケートを画像やPDFにして載せる禁止(事例 (20))
「Aさんは5年前から…当院で治療を始め…」と主訴の形で書く禁止(事例 (21))
出典 医療法施行規則 第1条の9 第1号・事例解説書 (16)〜(21)

口コミサイトとの付き合い方は、体験談・口コミ・ビフォーアフターの頁で詳しく書いています。

ビフォーアフター写真(省令で禁止)

指摘される書き方

  • 治療前後の写真と「審美面・機能面ともに回復しました」「治療費は1,500,000円〜」だけ
  • リスクや費用の説明を、リンク先の別の頁に置く
  • 説明を、利点に比べて極端に小さな文字で書く

認められる形

  • 写真と同じ場所に、通常必要な治療内容、費用、治療期間と回数、主なリスクと副作用を詳しく書く
治療の効果は広告できる事項ではないため、自由診療の限定解除の要件を満たさない場合は、術前術後の写真は載せられません(ガイドライン 第3-1 1(7)・事例解説書 (22)〜(24))。

費用の強調と、医療と関係ない誘引

事例扱い
「夏の期間限定で、様々な治療がお安くなります」費用を強調した広告(事例 (34))
会員特典として割引を前面に出す費用を強調した広告(事例 (34))
「○○100,000円 → 50,000円」「○○治療し放題プラン」費用を強調した広告(ガイドライン 第3-1 1(8)ア①)
「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」医療と直接関係のない事項による誘引(事例 (33))
出典 医療広告等ガイドライン 第3-1 1(8)・事例解説書 (33)(34)

広告の形に気をつけるもの

扱い
医薬品の商品名を載せる(「○○錠を処方できます」)医薬品医療機器等法の趣旨から、商品名は広告しない(事例 (35))
バナー広告禁止の広告は当然不可。限定解除の要件①を満たさないので、広告できる事項以外は載せられない(事例 (36))
リスティング広告(「業界最安値の1部位2,000円」など)同上(事例 (37))
会員限定ページでの割引クーポン見られる人が限られていても規制の対象(事例 (38))
出典 事例解説書 (35)〜(38)

SNSと動画

  • SNSは、プロフィール・投稿・返信で医療広告が行われているとされ、字数制限で返信に続けた部分、画像や動画の音声、ハッシュタグも対象です(事例 (39))。
  • 投稿の内容と関係のないハッシュタグで人を集めることは不適切とされています(事例 (39))。
  • 自由診療の限定解除に必要な情報は、同じSNSの中で、一体的に一覧できる形で示す必要があります。例えば、詳細を載せた投稿を固定し、プロフィールからそこへ案内する形です(事例 (40))。
  • 動画は、プロフィール・動画・タイトル・概要欄が対象で、テロップと音声も含みます。個人のアカウントでも、医院や医師が特定でき、受診を誘う内容なら対象です(事例 (44))。
  • 「副作用もほとんどありません」「1回目から効果を実感できます」「¥20,000〜利用可能です」のような投稿や概要欄が、違反の形として示されています(事例 (39)(44))。

この頁の出典(一次資料)

医療広告ガイドラインの頁