朝比奈幸太郎のデザイン キャラクターデザイン
キャラクターデザインの作り方頭身・アタリ・人体の構造から、三面図とポーズまで
オリジナルキャラクターは、ひらめきだけでは生まれません。体の比率を置き、骨組みを描き、立体にして、肉を付ける。決まった順番があります。公式サイトの作例のキャラクター 4 人で、その流れを最初から最後まで並べました。

キャラクターデザインの制作の流れ 11 段
1 人のキャラクターを描くまでの順番です。デザインの依頼を受けたときも、この順で進めます。





- 1
場面と気持ちを一文で決める
誰が、どこで、何をして、どんな気持ちか。衣装も小物も光の向きも、この一文から決まります。
- 2
アングルを選ぶ
体型と衣装を見せるなら正面、立体感なら斜め、動きや横顔なら横。迫力はあおり、顔を大きく見せるならふかん。
- 3
描き始めを決める
顔の位置を決めたいなら頭から、立ち位置を決めたいなら足先から描きます。
- 4
体の比率を置く
股は全身の半分の高さ。腕を下ろすと手首が股の高さ。上腕と前腕、股下から膝と膝から足首は、それぞれ同じ長さ。
- 5
骨組みのアタリ
頭の楕円、肩の線、S 字の背骨、ろっ骨の逆卵形、骨盤の丸、関節の丸。ここで重心と、肩と腰の傾きを決めます。
- 6
立体のアタリ
頭に十字線。胴はろっ骨・くびれ・下腹部の 3 つに。手足は先へ細くなる円柱。奥の手足が隠れる前後関係も、ここで決めます。
- 7
肉付け
太ももとふくらはぎは外側が高く盛り上がり、くるぶしは内側が高い。手首は腕でいちばん細く描きます。
- 8
細部
表情、髪、服、小物。ゆったりした服でも、先に体の輪郭を描いておきます。
- 9
仕上げ
線を整え、光の来る向きを 1 つ決めて影を入れます。やわらかい生地は丸い影、厚い生地は角を丸くしたしわ。
- 10
アングルの点検
胴の分割線と裾は、あおりで上に、ふかんで下に膨らむ弧。斜めでは奥の目の幅を狭く。横では胴の厚みを正面の約 7 割に。
- 11
影絵で点検
黒く塗りつぶしても、気持ちが読めるか。棒立ちになっていないかを、影絵で確かめます。
頭身(等身)と体の比率
頭身は、頭のいくつ分で全身ができているかの数え方です。「等身」とも書きます。何頭身にするかは絵柄で変わりますが、どの頭身でも変わらない目安があります。
- 股は、頭のてっぺんから足の裏までの 2 分の 1 の高さ
- 腕を下ろすと、手首が股と同じ高さ
- 上腕と前腕は同じ長さ。股下から膝と、膝から足首も同じ長さ
- 肩幅は頭の幅の 1.5〜2 倍。男性は約 2 倍、女性は約 1.5 倍
- 女性のくびれは、下ろした腕の肘の高さ
- 男性は肩が広い逆三角形、女性は骨盤が広い三角形
図は 7.5 頭身で描いています。
アタリの描き方と人体の構造
アタリは、本番の線の前に描く下書きの骨組みです。骨格を棒と丸に置き換え、次に簡単な立体に組み直します。
① 骨組みのアタリ
頭の楕円を描き、頭の幅を基準に肩幅を決めます。頭の中心から背骨を S 字に下ろし、ろっ骨を逆さの卵、骨盤を丸で描きます。肩・肘・股関節・膝は小さな丸です。
② 立体のアタリ
頭に十字線を入れて顔の向きを決めます。胴はろっ骨・くびれ・下腹部の 3 つに分け、肩の付け根に角度をつけます。手足は先へ細くなる円柱、足は台形です。
顔・手・足の描き方
顔
楕円に十字線を入れ、線の向きで顔の向きを決めます。斜めでは奥の目の幅を狭く、横顔の目は三角形にして、耳と下顎の線をつなぎます。
手
手は親指とその他の指の 2 つに分けてアタリをとります。力を抜いた指は関節を少し曲げます。手首は腕でいちばん細い所です。
足
正面の足は台形、斜めから見た足はくさび形です。つま先と残りに分けると、つま先の反りや曲げも描けます。
あおりとふかん
下から見上げるあおりは、下に広がる補助線の中に体を収めます。頭は小さく、すねは太ももより長く、横の線は上に膨らむ弧です。
上から見下ろすふかんは、下にすぼまる補助線の中に収めます。頭は大きく、すねは短く、横の線は下に膨らむ弧です。顔の部品は下に寄ります。
三面図(キャラクターの設定画)
正面・横・後ろを同じ大きさで並べた図です。誰が描いても同じキャラクターになるよう、服・髪・比率を 1 枚に決めます。横から見た胴の厚みは、正面の幅の約 7 割です。




ポーズの描き方 15 の決まり
- 顔と体の向きをずらし、肩の線と腰の線の傾きに差をつける。差が大きいほど躍動感が出ます。
- 体重をかける脚の上に、頭と胸を乗せる。腰が脚より前に出ると安定して見えます。
- 腕を上げた側の脇から腰は伸びてなだらかに、反対側は縮んでくびれます。
- 胸を張る・反らす・丸めるは、背骨の S 字と、ろっ骨を箱と見たときの向きで作ります。
- 気持ちは全身で。喜びは跳んで腕を上げ、自信は肩を引いて胸を張り、落ち込みは背中を丸めて膝を抱えます。
- 手前の手足は大きく太く。迷ったら断面の円を描いて奥行きをつかみます。
- 力を入れた所は盛り上げ、力を抜いた指は関節を少し曲げます。
- 走る・跳ぶときは体を進む方向へ傾け、髪や裾は後ろへなびかせます。
- 小物は体を支点に描きます。かばんのひもは、手と肩に引かれる形になります。
- あおりはすねを太ももより長く、ふかんは短く見せます。
- 男性は肩と胸を広く、女性は骨盤を広く描きます。
- 顔の向きは十字線で決めます。横顔の目は三角形、耳と下顎の線をつなぎます。
- 服のしわは、張った所に引っ張りじわ、関節と裾に集まるしわ。
- 明るい場面は影を少なめに、物憂げな場面は影を多めに。
- ポーズの意味に合わせて衣装と小物を選び、最後に表情で気持ちを決めます。
作例のキャラクター 4 人
朝比奈幸太郎の公式サイトの作例です。同じ人物のまま、基準の全身からポーズまでを描いています。画像を生成する仕組みで作った見本で、ご依頼のときは作品に合わせて新しく描き起こします。
演奏家
生成りのニットと紺のプリーツの長いスカート。バイオリンのケースを持つ、20 代半ばの演奏家。




録音する人
オリーブの作業着と首のヘッドホン。演奏会や森の音を録る、20 代後半の録音する人。




作り手
丸い眼鏡と炭色の前掛け。色見本とペンを持つ、20 代後半のデザイナー。




案内人
ベージュの上着と帆布のトート。日本の町を案内する、20 代半ばの案内人。



