平和のためのコード、Uniqlo×AkamaiのTシャツに隠されたイースターエッグ
「シンプルさは究極の洗練である」とは、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉。
技術の世界では、複雑さの中にこそ美が潜むことも多い。
さて、先日海外の技術者たちの間で話題になったのが、ユニクロとAkamaiがコラボレーションした「Peace for All」キャンペーンのTシャツ。
胸には中括弧に包まれたハートマーク。
そして背中には、一見すると無意味な文字列が印刷されている。
しかし、そこにはある仕掛けがあった。
背中に刻まれた難読コード
Tシャツをよく見ると、行頭に「#」、そう、シバンが書かれている。
さらに「eval "$(base64 --decode ...)"」の文字。
つまり、これはbase64で難読化されたbashスクリプトなのだ。
CTFやマルウェアで見かける手法が、まさか街中で買えるTシャツに仕込まれているとは。
スクリプトの復号と動作
base64の文字列をデコードすると、コメントが丁寧に書かれたbashスクリプトが現れる。
英語と日本語で「おめでとうございます
隠されたサプライズを見つけました」
と祝福の言葉。
内容は、端末上で「PEACEFORALL...」という文字列を、正弦波の軌跡で画面に流すアニメーションだ。
tputで端末サイズを取得し、bcで三角関数を計算しながら、文字の色をシアンからオレンジへとグラデーションさせる。
実行すると、まさに平和の波が画面を揺らす仕上がりになる。
技術とアートの境界線
このTシャツのデザインは、Akamaiがインターネット黎明期に果たした役割へのオマージュでもある。
背面色は当時の「ベージュボックス」を連想させ、使用フォントはRoboto Mono。
そしてLinuxのシェルスクリプトそれ自体が、オープンソースという公共の言語を象徴している。
コードはただの命令の集まりではなく、一つのメッセージになり得る。
そんなことを改めて感じさせてくれる。
だから、もし街でこのシャツを見かけたら、背中の文字列をちょっと眺めてみてほしい。
そこには、ファッションを超えた、技術者たちの遊び心と祈りが込められているのだから。