ドローン測量とは?写真とレーザーの違い、費用と必要な資格

現場に三脚を立てて一点ずつ測っていた作業が、上から一度に撮るだけで終わるようになりました。ドローン測量です。

ただ、飛ばせば地形が出てくるわけではありません。位置をどう決めるか、どの方法で測るか、どの許可が要るか。この3つを外すと、撮ったのに使えない、という結果になります。

この記事では、仕組み、2つの方式の使い分け、費用のめやす、必要な資格と許可を、順番に整理します。

ドローン測量とは

上空から地表を計測し、地形の形を数値の集まりとして取り出す方法です。出てくるのは、緯度と経度と標高を持った点の群れで、これを点群と呼びます。

点群があれば、あとは計算です。土量の計算、断面図の作成、施工前と施工後の比較、模型の作成が、同じデータからできます。

従来の方法と比べた違いは、測る点の数です。人が測る方法では、必要な場所を選んで一点ずつ測ります。ドローンなら、数センチメートル間隔の点が数百万個いっぺんに取れます。選ばずに全部取るので、あとから「あそこも測っておけばよかった」が起きません。

2つの方式

計測のしかたに2種類あります。ここを選び間違えると、現場に合わないデータが出てきます。

写真測量 レーザー測量
何を積むか カメラ レーザーの測距装置
仕組み 重ねて撮った写真から、形を計算で復元する レーザーを当てて、跳ね返る時間から距離を測る
草木の下 見えない 隙間から地面まで届く
費用 安い 高い
天候 曇りが望ましい 影響を受けにくい
飛行時間 長め 短め

写真測量は、重なり合った写真の中で同じ点を探し出し、その見え方のずれから立体を組み立てます。カメラさえあればよいので、機材の費用が抑えられます。

弱点は、写っていないものは復元できないことです。草が生えていれば草の上面が地面として出てきます。森林や夏場の法面では、実際の地面より高い形になります。

レーザー測量は、光の束を細かく打ち、跳ね返りを測ります。草木の隙間を通った光が地面に届くので、その反射だけを選び出せば、草の下の地形が取り出せます。

選び方は単純です。地表が見えている現場、たとえば造成中の土地や砂利の山なら写真測量で足ります。草木に覆われた現場、たとえば森林や河川の堤防ならレーザー測量が要ります。

位置をどう決めるか

ここがドローン測量の要です。写真も点群も、それ自体は「形」しか持っていません。その形が地球上のどこにあるかを与えないと、測量になりません。

方法は2つあります。

ひとつは、地上に目印を置く方法です。決まった模様の板を現場に何枚か配置し、その位置を測量機で正確に測ります。この目印が写真に写り込むので、計算のときに形と地球上の座標を結びつけられます。目印は標定点と呼ばれます。

もうひとつは、ドローン自身が自分の位置を正確に知る方法です。機体にRTKに対応した受信機を積み、補正情報を受け取りながら飛びます。撮った一枚ごとに、その瞬間の位置がセンチメートル単位で記録されるので、地上の目印を減らせます。

現場での差は、時間に出ます。目印を置く方法では、置いて、測って、回収する作業が要ります。広い現場ほど枚数が増え、半日かかることもあります。ドローン側で位置を持つ方法なら、この作業がほとんど要りません。

ただし、目印を完全になくすと、精度を確かめる手立ても消えます。実務では、数点だけ目印を残し、それを検証に使うことが多くあります。

補正情報をどこから受け取るか

RTKを使うには、補正情報の出どころが要ります。選択肢は3つです。

現場に自分で基準局を建てる方法。機体との距離が近いので精度が出やすく、通信回線も要りません。ただし機材がもう一組要ります。

公開されている基準局や、有料の配信サービスを使う方法。機材は増えませんが、現場に携帯電話の電波が届くことが前提です。山間部では届かないことがあります。

衛星から直接受け取る方法。日本ではみちびきが補正情報を放送しており、対応した受信機なら通信回線なしで受け取れます。電波の届かない現場ではこの方法が効きます。

選ぶ前に、現場の近くに使える基準局があるかどうかを調べておくと、当日の段取りが変わります。

費用のめやす

自分でやる場合と、外に頼む場合で考え方が違います。

外に頼む場合、面積と方式で決まります。数ヘクタール程度の造成地を写真測量で撮るなら数十万円、レーザー測量になると倍以上、という幅で見ておくと大きく外しません。移動費、目印の設置、成果物の形式によっても変わります。正確な額は現場を見せて見積もりを取るしかありません。

自分でやる場合、初期の費用がかかります。RTKに対応した機体、解析するソフト、それを動かせるパソコン、そして人の講習です。合わせると、小型の測量機を買うのと同じくらいの規模になります。

判断の分かれ目は回数です。年に一度か二度なら頼むほうが安く済みます。同じ現場を毎月測る、複数の現場を抱えている、という状況なら自前が効いてきます。

必要な資格

よく誤解されるところです。整理します。

測量業として仕事を受けるなら、測量法の枠組みに従います。測量士または測量士補の登録と、測量業者としての登録が要ります。これはドローンを使うかどうかとは関係なく、測量という業そのものにかかる決まりです。

ドローンを飛ばすことについては、国の技能証明の制度があります。一等と二等の2段階で、機体の認証と組み合わせると、飛行の許可や承認の手続きの一部が要らなくなります。一等は、第三者の上空を飛ばす区分に対応します。

自分の土地や、依頼を受けた現場で、人のいない範囲を飛ばすだけなら、この技能証明がなくても、許可や承認を取れば飛ばせます。証明は手続きを軽くするためのもので、飛行そのものの前提条件ではありません。

このほかに、民間の団体が出している資格がいくつかあります。名称に測量が付くものもありますが、国の制度とは別のものです。講習で体系的に学べる点に価値がありますが、これがないと仕事ができない、という性質のものではありません。

飛ばす前に確かめること

許可や承認が必要になる飛行が、法律で決められています。人口が集中している地区の上空、空港の周り、地表から150メートル以上、夜間、目視の届かない範囲、人や物から一定の距離が取れない場合などです。

測量の現場は、市街地の造成地であることも、空港の近くであることもあります。現場に着いてから気づくと、その日は飛ばせません。

場所ごとの判定は、事前に地図で確かめておくのが確実です。そのうえで、実際の申請は国の窓口で行います。地図での判定は目安であって、そこに何も出ないことが規制がないことを意味するわけではありません。

作業の流れ

一連の手順を並べます。

計画を立てます。撮る範囲、飛ぶ高さ、写真の重なり具合を決めます。重なりが足りないと計算が失敗し、多すぎると枚数と処理時間が増えます。

現場を確かめます。離着陸できる場所、障害物、電波の状態、そして許可の要否です。

飛びます。自動で経路をたどらせるのが普通です。バッテリーの交換をはさみながら、計画した範囲を埋めます。

処理します。写真から点群を作る計算に時間がかかります。数百枚なら数時間、千枚を超えると一晩ということもあります。

確認します。ここを省く人が多いのですが、いちばん大事な段階です。残しておいた目印の座標と、出てきた点群の座標を比べます。ずれが許容の範囲に収まっていなければ、原因を探します。

精度が出ないときに見るところ

順に疑うと早く見つかります。

標定点の測り方。目印そのものの座標が間違っていれば、全体がその分ずれます。RTKで測ったなら、そのとき固定解だったかどうかを確かめてください。

補正情報。飛行中に接続が切れていると、その区間だけ位置の質が落ちます。飛行のログに記録が残ります。

写真の重なり。少ないと、計算が合わずに形がゆがみます。特に範囲の端で起きやすくなります。

対象の性質。水面、真新しい舗装、単色の壁は、写真の中で同じ点を見つけられません。この部分だけ点群が抜けます。

草木。写真測量で草の上面を測っている場合、それは誤差ではなく方式の限界です。レーザー測量に切り替えるか、草を刈るかの判断になります。

まとめ

ドローン測量は、上から撮って地形を点の群れとして取り出す方法です。

方式は2つ。地表が見えている現場なら写真測量、草木に覆われた現場ならレーザー測量です。

要になるのは位置の与え方で、地上に目印を置くか、機体がRTKで自分の位置を持つかを選びます。RTKを使うなら、補正情報をどこから受け取るかを先に決めておいてください。

資格は2系統あります。測量を業として受けるなら測量法の枠組み、飛ばすことについては国の技能証明です。混同しやすいので、自分の立場でどちらが要るのかを確かめてから動くと無駄がありません。

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