「デューティー比は抵抗だけで決まる」の謎を解く|交換必須のタイマーICとパルス制御の秘密

Revoxの修理中、キャプスタンモーターの制御回路(NE555)を見ていたとき、師匠がボソッと言いました。
「いいか、こいつのデューティー比は、コンデンサ容量は関係ない。抵抗値だけで計算できるんだ」

一瞬、耳を疑いました。
「え? 発振回路って、抵抗(R)とコンデンサ(C)の組み合わせで時間を決めるものじゃないの?」

実は、ここに回路設計の美しい「割り算のマジック」が隠されています。
今日は、シンセサイザーの音作りや、モーター制御の核心である
「デューティー比(Duty Cycle)」について、数式アレルギーのエンジニアでも膝を打つように解説していきます。

後半ではRevoxのレストア、主にキャプスタンモーター基盤に搭載されているタイマーICのパーツ購入ルートも紹介しています。

第1章:そもそも「デューティー比」とは何か?

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電気には「直流(ずっとON)」と「交流(波)」がありますが、デジタル制御やモーター制御では「パルス波(矩形波)」という、四角い波を使います。
スイッチを高速でON/OFFしている状態ですね。