ヴィンテージオーディオのレストアや、アンプの自作をしていると必ず直面する悩み。
それが「コンデンサーの単位、種類多すぎ問題」です。
サービスマニュアルに「0.01」と書いてあるのに、手持ちのパーツには「103」と書いてある。
あるいは、海外製の回路図には「4n7」という見慣れない表記がある。
ここで計算を間違えると、最悪の場合回路が動きません。
この記事では、(マイクロ)、(ナノ)、(ピコ)の関係性をクリアにし、誰でも迷わず正しいパーツを選べるようになるための基礎知識を徹底解説します。
基本の「3つの単位」をマスターしよう
コンデンサーの容量(キャパシタンス)を表す単位は「F(ファラド)」ですが、1Fはあまりに巨大すぎるため、オーディオや電子回路では以下の3つの補助単位(接頭辞)を使います。
マイクロファラド
スピーカーのネットワーク、カップリングコンデンサなど。
最も頻繁に見かける単位であり、主に「電解コンデンサ」で使われます。
記号:は `uF` `MFD` と書かれることもあります。
ナノファラド
フィルター回路、トーンコントロールなど。
日本の部品ではあまり使われませんが、Revoxなどの欧州製オーディオ機器では主役級に使われます。
単位としてはnと表記されることが多いです。
ピコファラド
発振回路(オシレーター)、高周波ノイズ除去、位相補償など。
非常に小さな容量。
セラミックコンデンサやマイカコンデンサで使われます。
記号:はpで表されることも多く`uuF`(マイクロマイクロファラド)と古い文献で書かれることがありますが、同じ意味です。
. 【保存版】単位換算 早見表 これさえあれば怖くない、単位の変換ルールです。
基本の単位変換ルール
コンデンサーの単位は「1,000倍」ごとに切り替わります。
| 大きさ | 単位記号 | 読み方 | 換算の目安 |
|---|---|---|---|
| 大 | μF | マイクロファラド | 1 μF = 1,000 nF |
| 中 | nF | ナノファラド | 1 nF = 1,000 pF |
| 小 | pF | ピコファラド | 基準の最小単位 |
【保存版】3桁コード・単位換算 早見表
オーディオ修理で頻出する数値をまとめました。
| 3桁コード | pF (ピコ) | nF (ナノ) | μF (マイクロ) |
|---|---|---|---|
| 101 | 100 pF | 0.1 nF | 0.0001 μF |
| 471 | 470 pF | 0.47 nF | 0.00047 μF |
| 102 | 1,000 pF | 1 nF | 0.001 μF |
| 222 | 2,200 pF | 2.2 nF | 0.0022 μF |
| 472 | 4,700 pF | 4.7 nF | 0.0047 μF |
| 103 | 10,000 pF | 10 nF | 0.01 μF |
| 223 | 22,000 pF | 22 nF | 0.022 μF |
| 473 | 47,000 pF | 47 nF | 0.047 μF |
| 104 | 100,000 pF | 100 nF | 0.1 μF |
| 105 | 1,000,000 pF | 1,000 nF | 1.0 μF |
基本は「0が3つ増減する」と覚えてください。
特殊表記について

欧州製オーディオ(Revoxなど)特有の「R表記」 Revox B77などの回路図やパーツリストを見ると、以下のような表記によく遭遇します。
4u7、2n2、6k8 (抵抗の場合) これは、小数点の見落としを防ぐための表記法です。
単位の文字が小数点の位置に入ります。
つまり4u7は4.7μFになります。
2n2 = 2.2 nF 、抵抗の場合も同様6k8 = 6.8 kΩ、欧州でこのように表記されるマニュアルも多々あります。
コンデンサーの選び方
容量が合っていれば何でも良いわけではありません。
オーディオ機器では「場所」によって適切な「種類」があります。
オーディオ用コンデンサーの種類と選び方ガイド
適材適所のパーツ選びが、音質向上と安全な修理の鍵となります。
| 種類 | 主な用途 | 選び方のポイント | 注意点・備考 |
|---|---|---|---|
| 電解 |
電源の平滑 大容量が必要な箇所 |
|
極性あり(+-) 逆に接続すると破裂します。 |
| フィルム |
信号の結合 フィルター回路 |
|
音質への影響が最も大きいパーツの一つです。 |
| セラミック |
高周波ノイズ除去 発振防止 |
|
容量が小さく、ピコファラド(pF)単位が主です。 |
| タンタル |
古い欧州機 (Revox等) |
【交換推奨】 現代の「オーディオ用電解コンデンサ」への置き換えが安全かつ高音質です。 |
発火の危険あり 経年劣化でショートモード故障しやすいため、古い機器では非常に危険です。 |