【鹿ハンティング】この道50年のベテランハンターさんと

鹿の猟に連れて行ってもらいました。

足寄町の中心地から離れた場所にいくのは初めてで、おそらく足寄町の中心地に長く住んでいる人もいくことはなさそう・・・という山々に。

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今その名人は自分より先輩はいなくなったといっておられ、その名人芸の数々を体験させてもらいました。

まずそもそも鹿を見つけるスピードが半端じゃない。

速度もですが、精度もすごくて300m以上離れた場所(これは射程範囲外)にいる1匹の子鹿を肉眼で見つけるわけです。

また、非常に興味深いのが、音。

鹿に当たった時の音を聞いて、どこに命中したのか?がわかるそう。
もちろん本物のライフルを使っているわけで、銃声自体がとんでもない破裂音なのに、ほぼ同時に当たっている150m〜200m離れた鹿の身体の音を聞いているわけです。

まさに名人芸ですよね。

この日の移動はこんな感じ。

移動距離はPythonで算出します。

TOTAL: 76.374 km
gps_r0_20250819_064856.log: 8.580 km
gps_r0_20250819_070157.log: 15.477 km
gps_r0_20250819_072159.log: 4.729 km
gps_r0_20250819_073122.log: 7.037 km
gps_r0_20250819_074820.log: 11.775 km
gps_r0_20250819_081529.log: 4.414 km
gps_r0_20250819_082610.log: 0.921 km
gps_r0_20250819_083421.log: 13.517 km
gps_r0_20250819_091451.log: 2.411 km
gps_r0_20250819_092314.log: 7.512 km

なるほど、一回狩に出たら100kmは軽く走るとおっしゃっていましたが、総移動距離が76kmとはさすが北海道のでかさが際立っています。

ちなみにこちらは筆者の故郷神戸市のJR三宮駅から半径76kmの距離です。

徳島まで到達するわけですからすごい。

Screenshot

名人の移動はトヨタのハイラックス。

後部座席ありで後ろが荷台になっているタイプで、動物を引き上げるためのクレーンが装備されています。

今回の鹿はまだ一歳メス、30kg程度なので二人で荷台に積みます。
※当然名人は見ただけで年齢、性別、重さはぴたりと言い当てます。

肉質自体は若ければ若いほど柔らかく、1歳だともうフレークのようになるそうで、大人の鹿は筆者も捌いたことがありますが、やはりゴムのような質感に近い硬さになってきます。

途中十勝の絶景を堪能しました。

さすがにスマホの写真では表現力が限られてしまいますがこの果てしなく続く雄大な大地は伝わるでしょうか。

田舎町に引っ越さないと絶対に経験できないこと、そして観光では触れることのできない世界観を体験させてもらい、こういう経験は本当に宝物ですね。

ハンターのお仕事

北海道のディープな田舎町はまさにドラマに出てくるような農場と民家が立ち並び、街の中心とはまた全く違った空気感を醸し出していました。

鹿をハンティングしたあとは、必ず回収しなければいけず、そのまま放置すると起訴される可能性もあるんだとか。

なので、打てそうな時でも、取りに行けない場所やケースでは辞めたり、打ったあとは、ヒットポイントを必死で記憶していました。

また、狩猟後は他にも最寄りの農家さんに必ず鹿の現物を確認し、農家さんと一緒に写真を撮影し、サインをもらわないといけないんだとか。

基本的にはこの地域の農業を守る番人としての役割もあり、農家さんとの付き合いはハンターの基本軸となるようです。

他にも街の中心地に熊が出たりすれば、すぐにハンター仲間と連携して駆除しにいくそうで、この田舎町の治安を守るのは警察ではなく、ハンターさんなんだなと改めて思いました。

足寄町に住む私たちが安心して暮らせるのもハンターさんたちのハンティングや、農家さんたちの爆竹の設置など地道な作業があるからなんですね。

こちらはライフルで使用されたあとの薬莢(やっきょう)だそうで、車内で撮影させていただきました。

こちらは空薬莢ですので大丈夫ですが、弾丸が入ったものは免許がないと手に持つのも多分だめっぽい(なんとなく)ので注意してください。

弾は一発1500円(2025年8月時点)ですので、外したら結構ショックですよね。
1500円なので、罠免許だけ持っている人(主に農家さん)が罠にかかった鹿を見つけた場合はハンターさんに連絡、とどめを刺しに行くそうで、その場合は弾代と車代をなんとなくの雰囲気でハンターさんにお礼するんだとか。(ビールとかの場合もあるそう)

筆者が同行したために、獲れるはずだった鹿が減ったのもあって、もちろんそんなこと全く気にしておられませんでしたが、弾代として缶ビールセットをお届けに、喜んでいただきましたが、夕方そのお礼にと鹿肉を届けてくださいました。

なんとも恐縮なのであります。

そして最後はやっぱり気温ネタ・・・

ハンターさん、気を使ってくれて車内冷房フルパワーで稼働し、わざわざ手動で筆者の方に向けてくれていたんですが、関西なら秋の感覚。
本当に秋に冷房ガンガン入れてる感覚なんですよね。

おそらく生まれてからずっとこのエリアで暮らすハンターさんとしては猛暑なんだと思います。

気温ネタはやっぱり面白いですね。

朝比奈幸太郎

音楽家:朝比奈幸太郎

神戸生まれ。2025 年、40 年近く住んだ神戸を離れ北海道・十勝へ移住。
録音エンジニア五島昭彦氏より金田式バランス電流伝送 DC 録音技術を承継し、 ヴィンテージ機材で高品位録音を実践。
ヒーリング音響ブランド「Curanz Sounds」でソルフェジオ周波数音源を配信。
“音の文化を未来へ”届ける活動を展開中。