【MapTiler完全ガイド】Google Mapsだけじゃない!

皆さんが普段使っている地図サービスといえば、多くの方が Google Maps を思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし、実はオープンソースの思想に基づき、自由度の高い地図サービスを提供している「MapTiler」という選択肢があります。

今回は、このMapTilerの魅力や活用方法についてご紹介します。

MapTilerとは?

MapTilerは、スイスに拠点を置く企業が開発している地図配信プラットフォームです。

地図を「タイル」という小さなデータ単位に分割し、効率的に配信・表示する仕組みを持っています。これにより、ウェブサイトやアプリでスムーズに地図を表示できるのが特徴です。

主なサービス

  1. MapTiler Cloud
    クラウド上で地図タイルを高速配信するサービス。グローバルに最適化されたCDNを利用し、誰でも簡単に地図をウェブやアプリに組み込めます。
  2. MapTiler Server
    オンプレミス環境で地図を配信可能。インターネットに接続できない環境やプライベート利用に最適です。
  3. MapTiler Desktop
    自分の持っている地理データ(航空写真やGeoTIFFファイルなど)をタイル化できるデスクトップアプリ。独自の地図を作成できます。
  4. 開発者向けSDKとAPI
    MapLibreやLeafletといったオープンソースライブラリと組み合わせて自由に地図をカスタマイズ可能。JavaScriptの知識があればすぐに使えます。

MapTilerの魅力

  • 自由度の高さ:色やラベルの表示、言語切り替えなど細かいスタイル調整が可能。
  • オフライン利用:Google Mapsにはない「サーバーレスでのオフライン地図配信」が可能。
  • コスト面:Google Maps APIよりも利用料金が安価で、商用利用にも向いています。
  • オープンデータ対応:OpenStreetMapなどのオープンデータをベースにした地図配信が可能。

できることリスト

MapTilerでできること一覧

1. 地図の配信とホスティング

  • MapTiler Cloud:クラウドでの高速地図配信(CDN利用)。
  • MapTiler Server:オンプレミスでの地図配信(オフライン環境対応)。

2. 地図データの変換と加工

  • MapTiler Desktop:GeoTIFFや航空写真、独自データをタイル化。
  • 高解像度の地理データをWebやモバイルで使える形に変換。

3. 開発者向けツール

  • SDK & API:MapLibre、Leaflet、OpenLayersと連携。
  • JavaScript SDK:地図の埋め込み、スタイル変更、レイヤー制御。
  • モバイルSDK(iOS / Android):アプリでの地図表示やオフライン利用。

4. カスタマイズ機能

  • 地図スタイルを自由に変更(色、ラベル、言語)。
  • 独自のスタイルエディターでブランドに合わせた地図デザインを作成可能。
  • 多言語ラベル切り替え。

5. オフライン機能

  • モバイルやデスクトップで地図を事前ダウンロードし、オフラインで利用可能。
  • サーバー不要でスタンドアロンの地図アプリを構築可能。

6. 地理空間データの統合

  • OpenStreetMapなどのオープンデータを利用。
  • 独自の航空写真や地形データを統合して配信。
  • 標高データを使った3D地図や地形表現。

7. APIによる地理情報サービス

  • 座標変換(Projection変換)。
  • 逆ジオコーディング(座標から住所取得)。
  • 標高データの取得。

8. 商用利用とライセンス管理

  • Google Mapsよりも低コストで商用利用可能。
  • APIキーで利用制御や課金管理ができる。

MapTilerのAPIキー取得と実装

  1. サインアップ/ログイン → MapTiler Cloudのダッシュボードへ。
  2. API Keys で「Create new key」→ 任意の名前を付けて発行。
  3. その場で 制限を必ず設定
    • Webなら HTTPリファラー制限(*.example.com)、サーバーなら 送信元IP制限
    • 料金面は 月次のコスト上限 を設定しておくと、100%到達時に 自動的にキーが停止 して課金暴走を防げます。

無料枠の目安(2025-08-18時点の表記)

“Free”は API sessions: 5,000/月、API requests: 100,000/月 の記載。

用途やプランで「sessions」「requests」の両方に上限がある点を理解して使い分けます(定義は後述)。

まずは使う予定のドメイン/IPを制限し、支出上限を入れてから着手するのが安全運用の基本です。

活用事例

  • 旅行ブログで独自の観光地マップを埋め込む。
  • 音楽活動のイベントマップを自作し、ファンに共有する。
  • 地方自治体が独自の航空写真を配信し、住民向けサービスに利用する。
  • アプリにオフライン地図を搭載し、ネットがない場所でもナビゲーション可能にする。

まとめ

MapTilerは、Google Mapsの代替ではなく、「自分だけの地図を作るための武器」と言えるサービスです。

オープンソースやカスタマイズ性を重視する方にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

もしあなたがブログ運営者やアプリ開発者で、「独自の地図体験」を提供したいと考えているなら、一度MapTilerを試してみてはいかがでしょうか?

朝比奈幸太郎

音楽家:朝比奈幸太郎

神戸生まれ。2025 年、40 年近く住んだ神戸を離れ北海道・十勝へ移住。
録音エンジニア五島昭彦氏より金田式バランス電流伝送 DC 録音技術を承継し、 ヴィンテージ機材で高品位録音を実践。
ヒーリング音響ブランド「Curanz Sounds」でソルフェジオ周波数音源を配信。
“音の文化を未来へ”届ける活動を展開中。