RTK測位のためのファームウェアはジオセンス社から配布されていますが、M5F9Pのマニュアル中に、WindowsPCが必要と記載されています。
ファームウェアの書込みプログラム esptool.exe がWindowsのプログラムのためそのような記載になっていますが、M1 Macbook Airを使っている筆者の環境でも問題なく書き込めましたので、シェアしておきます。
また、自作のプログラムをアップロードしてしまい、ファームウェアが上書きされてしまった方のリセットにも有効ですので、チェックしてください。
✅ 現状の整理
✔ この記事をみている方の状況
- Mac(M1)で作業中(Windowsは使用せず)
pip install esptool
は 正常に完了- ファームウェアファイル一式(binファイル)も ダウンロード済み
- 書き込みスクリプト(
writeFW.bat
)は Windows専用バッチファイル
こちらからダウンロードし、ZIP解凍が終わっていると思います。
🔧 esptool.py
のインストール(Python製の書き込みツール)
M5Stackにファームを書き込む標準的なツールとして、esptool.py
をインストールしてください。
# まだ入れていない場合のみ
pip install esptool
次にシリアルポートの確認をしてください。
🔧 USBシリアルポートを確認
- M5StackをMacに接続する
- ターミナルで以下を実行して、ポート名を確認:
ls /dev/cu.*
多くの場合は次のような名前になります:
/dev/cu.SLAB_USBtoUART
これが M5Stack のポート名です。
✅ Mac用ファームウェア書き込みコマンドの生成
解凍後のWindows用バッチファイル writeFW.bat
の中身は次のようになっています(一例):
esptool.exe --chip esp32 --port COM8 --baud 460800 write_flash -z 0x1000 bootloader_qio_80m.bin 0x8000 m5f9p.ino.partitions.bin 0xe000 boot_app0.bin 0x10000 m5f9p.ino.bin
✅ Mac用に変換したコマンド(仮に /dev/cu.usbserial-xxxx
がポート名の場合)
esptool.py --chip esp32 --port /dev/cu.usbserial-xxxxx --baud 460800 write_flash -z \
0x1000 bootloader_qio_80m.bin \
0x8000 m5f9p.ino.partitions.bin \
0xe000 boot_app0.bin \
0x10000 m5f9p.ino.bin
✅ 実際に書き込み
cdコマンドでファームウェアの解凍後ディレクトリに移動し、インストールしてください。
cd ~/Downloads/m5f9pFW_v1_0_38
esptool.py --chip esp32 --port /dev/cu.usbserial-59740310791 --baud 115200 write_flash -z \
0x1000 bootloader_qio_80m.bin \
0x8000 m5f9p.ino.partitions.bin \
0xe000 boot_app0.bin \
0x10000 m5f9p.ino.bin
このとき、Arduino IDEが起動中だったり、シリアルポートの監視プログラムが動いていたりするとエラーになりますので、終了させましょう。
これで無事にRTK測位用のファームウェアがアップロードできました。

音楽家:朝比奈幸太郎
神戸生まれ。2025 年、40 年近く住んだ神戸を離れ北海道・十勝へ移住。
録音エンジニア五島昭彦氏より金田式バランス電流伝送 DC 録音技術を承継し、
ヴィンテージ機材で高品位録音を実践。
ヒーリング音響ブランド「Curanz Sounds」でソルフェジオ周波数音源を配信。
“音の文化を未来へ”届ける活動を展開中。