【完全版】ピーマン栽培のすべて

~水やり・剪定・収穫・連作対策まで~

ピーマンは家庭菜園でも安定して育てやすい果菜類で、収穫期間も長く、夏~秋にかけてたくさんの実をつけてくれます。

ただし、水切れや過湿、風通しの悪さで生育が鈍ったり病気になることも。ここでは「北海道のような冷涼地でも成功する」ピーマン栽培の全工程を、水分管理・剪定・収穫タイミング・施肥・撤収のタイミングまで完全ガイドでお届けします。

【1】ピーマン栽培の基本情報

項目内容
科名ナス科トウガラシ属
適温生育適温:20~30℃(夜温15℃以上)
苗の定植時期北海道では6月上旬が目安(遅霜後)
収穫時期7月中旬〜10月上旬(初霜前まで)
日照条件日当たり・風通し良好な場所
支柱必須(株が倒れやすいため)

【2】水やり:乾き過ぎも湿り過ぎもダメ!

ピーマンはやや乾燥を好む傾向がありますが、水分ストレスがかかると実が小さくなったり落果したりします。

● ポイント

  • 定植から2週間はたっぷり、以後は乾いたら与える
  • 晴天続きなら1日1回、梅雨・雨期は控えめに
  • 水やりは朝の涼しい時間に、葉にはかけずに根元に注水
  • 過湿は根腐れ・斑点病の原因となるので注意

【3】剪定と整枝:1番花の下から分かれる「主枝+側枝」管理

ピーマンは枝が複雑に分かれるので、放任すると込み合って病気や実の小型化を招きます。

● 初期の整枝

  • 1番花の下から出る2本の側枝を「主枝」として誘引
  • その他のわき芽はすべて摘み取る

● 中期以降の整枝

  • 主枝から出る側枝(2次枝)も1~2葉で摘芯
  • 混み合う枝はカットして風通しを確保
  • 地面に接触する下葉・老化葉は早めに除去

● 支柱の使い方

  • 3本の支柱でピラミッド型に支えるのが安定
  • 主枝2本+予備枝1本をそれぞれ固定

【4】収穫のタイミングとコツ:収穫を早めに繰り返す

ピーマンは完熟させるほど種が硬くなり、株も疲れます。次の実をよくするためにも「若どり」を基本とします。

● 収穫目安

  • 実の長さ:5~7cm、幅:3~4cm
  • つやがあり、触って張りがある
  • 取り遅れると「苦味」が出ることも

● 収穫方法

  • ハサミで軸ごと切る(手で引っ張らない)
  • 収穫期は2~3日に1回ペースで確認

【5】施肥(追肥):肥料切れは実付き低下に直結

ピーマンは栽培期間が長いので、継続的な追肥が欠かせません。

● 肥料のタイミング

  • 定植2週間後から2~3週間おきに追肥
  • 実の付きが悪くなったら肥料切れのサイン

● 肥料の種類

  • 液体肥料(速効性)と化成肥料(持続性)の併用
  • 施肥は株元から5cm以上離れた場所に浅くまく

【6】病害虫対策:風通しと葉の管理がカギ

病害虫症状と対策
アブラムシ若葉に集まりウイルス媒介→牛乳スプレー or 粘着トラップ
ハダニ葉が白くなる→水スプレー or 天敵導入
斑点病葉に黒点→下葉除去・殺菌剤散布
モザイク病葉が縮れる→感染株は撤去(伝染性)

【7】収穫後と撤収:いつまで育てるか?

  • 9月下旬以降、実の付きが急に減る
  • 北海道では初霜(10月上旬)前に撤収
  • 株を引き抜いて**太陽熱消毒(黒マルチで密閉)**し、土壌リセット

【8】連作障害と回避方法

ピーマンはナス科なので、トマト・なす・じゃがいもとの連作もNGです。

連作すると青枯病・根腐れ・センチュウの被害が出やすくなります。

● 回避策

  • 3~4年空ける
  • 接ぎ木苗を使う
  • 太陽熱消毒+堆肥投入による土壌改良
  • 葉物野菜との輪作

【9】北海道のような冷涼地での注意点

  • 地温が上がりにくい → 黒マルチで保温
  • 夜温が下がる → 6月定植厳守、ポリトンネル併用も可
  • 収穫時期が遅れる → 早生品種(例:京みどり、グリーンホルン)を選ぶ

おすすめ品種

品種名特徴
京みどり定番の耐病性強い品種、たくさん穫れる
グリーンホルン肉厚で美味、北海道でも育てやすい
とんがりパワーとがった形、甘くて子どもにも人気

まとめ:ピーマン栽培の5つの要点

  1. 乾燥と過湿の中間を保ち、水やりは適度に
  2. 主枝2本仕立てで整枝し、風通しを確保
  3. 収穫は早めに、こまめに取ることが実付き維持に◎
  4. 追肥は2~3週間おき、肥料切れさせない
  5. ナス科の連作を避け、輪作や土壌改良を徹底
朝比奈幸太郎

音楽家:朝比奈幸太郎

神戸生まれ。2025 年、40 年近く住んだ神戸を離れ北海道・十勝へ移住。
録音エンジニア五島昭彦氏より金田式バランス電流伝送 DC 録音技術を承継し、 ヴィンテージ機材で高品位録音を実践。
ヒーリング音響ブランド「Curanz Sounds」でソルフェジオ周波数音源を配信。
“音の文化を未来へ”届ける活動を展開中。