きゅうり栽培の完全ガイド

きゅうりは家庭菜園でも比較的育てやすく、毎日のように収穫できる「夏野菜の王様」。

しかし、放っておくとツルが暴れ、葉が茂りすぎ、実も曲がってしまうことがあります。

そこで今回は、水やり、剪定、収穫タイミングなど、実際の作業に直結するポイントを中心に、きゅうり栽培の完全ガイドをお届けします。

【基本情報】きゅうりの特徴と生育環境

項目内容
植え付け適期5月中旬~6月上旬(北海道は遅霜後)
収穫時期6月下旬~9月上旬
生育温度20~30℃
日照条件日当たり良好・風通しがよい
水分要求非常に高い(水切れ厳禁)

1. 水やり:とにかく水分が命!朝と夕の2回が基本

きゅうりは「95%以上が水分」というほど、水をとても好む野菜です。

水切れすると一気に生育が止まり、苦味が出たり、実が曲がったりします。

● ポイント

  • 朝と夕方の1日2回が基本(晴天時)
  • 特に収穫期(7月〜)は毎日1株に2~3リットルを目安に
  • 葉にかけず、株元に静かに注ぐようにする
  • プランター栽培なら保水性の高い土を使用し、敷きワラを活用

2. 収穫タイミング:取り遅れると株が弱る!

きゅうりは「見逃したら翌日には巨大化」するほど生長が早いです。

適期に収穫しないと、株が消耗し収穫量が落ちます。

● 適切な収穫サイズ

  • 20cm前後、太さは大人の親指~小型バナナくらい
  • イボがしっかりして、皮がつやつやしたもの

● 収穫のポイント

  • 朝収穫がベスト(夜間に水分を蓄えている)
  • ハサミで軸を切る(引っ張らない)
  • 実の下の節に次の実がつくので、必ずこまめに収穫

3. 剪定・整枝:葉っぱはどうする?ツルは?

葉やツルの整理は、実つきを良くし、病気を防ぐために重要です。

● 葉っぱの管理

  • 地面近くの3~4枚の葉は早めに切り取る
     → 病気や泥はね防止、風通し確保
  • 日陰を作ってしまう大きな古葉は定期的に除去

● 側枝(わき芽)の整枝

  • 本葉5~6枚出たら親づるを支柱に誘引
  • 下から3節目まではわき芽も花もすべて摘除
  • それ以降は側枝を2~3葉で摘芯し、果実をつけさせる

● 子づると孫づるの使い分け

  • 親づる:主にツルの長さを伸ばす
  • 子づる(1次側枝):実を取る主力
  • 孫づる(2次側枝):放任すると暴れるので、必要に応じて剪定

4. 施肥(肥料管理):追肥で味と実付きが変わる

きゅうりは「肥料食い」と言われるほど、栄養をよく吸います。初期生育から収穫期まで切れ目なく施肥を行うことがポイントです。

● 追肥の時期とやり方

  • 植え付け2週間後から2週間おき
  • 液体肥料 or 化成肥料を株元から少し離して施す
  • 実がなり始めたら実1本に対して肥料1回という感覚

5. 病害虫と対策

病気・害虫症状と対策
うどんこ病葉に白い粉 → 風通しと剪定で予防、木酢液や重曹スプレーが有効
ベト病葉が黄色に → 雨除け・早期除葉・マルチ使用
アブラムシ葉裏に集まる → 牛乳スプレー、粘着トラップ
ウリハムシ葉に穴 → 防虫ネットまたは早期捕殺

6. 収穫後の管理と撤収時期

  • 収穫終了期(8月下旬~9月初旬)になったらツルの勢いが止まる
  • 病気が多発する前に早めに撤収・土壌処理
  • 株を抜いたら太陽光で土を消毒(太陽熱消毒)

7. 連作障害について

きゅうりはウリ科植物なので、同じ場所での連作は3年以上避けるべきです。連作によって、根腐れ・つる割病などが発生しやすくなります。

● 対策

  • 別の場所に植える
  • 接ぎ木苗(連作障害に強い)を使う
  • マメ科などの輪作で土壌回復

まとめ:美味しいきゅうりを作るために大切なこと

  • 水を切らさない:朝夕2回、実がついたらさらに注意
  • 実は早めに収穫:見逃さない!株が疲れる前に取る
  • 葉とツルの整理:風通しと実付きのために
  • 肥料は継続して:実の数だけ肥料をあげる
  • 収穫後は早めの撤収:病気が広がる前に終わらせる

世界の言葉で「きゅうり」はなんという?

~英語・スペイン語・ドイツ語・ロシア語で学ぶ語源と読み方~

きゅうりは世界中で親しまれている野菜のひとつ。

ですが、その呼び名は国や言語によって大きく異なります。ここでは代表的な4言語での名称、読み方(カタカナ)、そしてそれぞれの語源をわかりやすく紹介します。

1. 英語:Cucumber(キューカンバー)

  • 表記Cucumber
  • 読み方キューカンバー /ˈkjuː.kʌm.bər/
  • 語源
    • ラテン語の cucumis(ククミス)=「きゅうりの植物名」に由来。
    • 古フランス語 cocombre を経由して英語化。
  • 補足
    • 英語圏ではサラダやサンドイッチによく登場。
    • 「クール・アズ・ア・キューカンバー(冷静な人)」という表現もある。

2. スペイン語:Pepino(ぺピーノ)

  • 表記Pepino
  • 読み方ぺピーノ /peˈpino/
  • 語源
    • ラテン語 peponem(ペポネム)=「メロンのような瓜」に由来。
    • 古スペイン語を経て現代の pepino に変化。
  • 補足
    • 「エンサラーダ・デ・ペピーノ」は、スペイン語圏の「きゅうりのサラダ」。
    • 中南米では少し太くて短い品種も「ペピーノ」。

3. ドイツ語:Gurke(グルケ)

  • 表記Gurke
  • 読み方グルケ /ˈɡʊʁ.kə/
  • 語源
    • スラブ語の ogórek(ポーランド語)や ogurec(ロシア語)からの借用。
    • 中高ドイツ語 gurke もスラブ起源。
  • 補足
    • 「ザワーグルケ(Saure Gurke)」=ピクルス(酢漬けのきゅうり)。
    • 「グルケンツァイト(Gurkenzeit)」=ニュースが少ない夏の時期を表す表現もある。

4. ロシア語:Огурец(アグリェーツ)

  • 表記Огурец
  • 読み方アグリェーツ /ɐɡʊˈrʲet͡s/
  • 語源
    • ギリシャ語の angourion(アンゴウリオン=未熟な瓜)に由来。
    • スラブ語に取り入れられ、現代の огурец に。
  • 補足
    • 複数形は огурцы(アグルツィ)で、ロシア料理では塩漬けやピクルスが主流。
    • 「アグリェーツ・ソルョーヌイ」は「塩漬けきゅうり」。
言語表記読み方語源
英語Cucumberキューカンバーラテン語 cucumis
スペイン語Pepinoぺピーノラテン語 peponem
ドイツ語Gurkeグルケスラブ語 ogórek
ロシア語Огурецアグリェーツギリシャ語 angourion

小ネタ:日本語「きゅうり」の語源は?

  • 日本語の「きゅうり」は漢字で書くと「胡瓜(こか/こうり)」
  • 中国から伝来した当初は「苦瓜」と表記されることもあった
  • 「黄瓜(こうか)」とも表され、熟すと黄色くなることから
  • 現代の「きゅうり」は、「黄瓜(キウリ)」→「キュウリ」への音変化
朝比奈幸太郎

音楽家:朝比奈幸太郎

神戸生まれ。2025 年、40 年近く住んだ神戸を離れ北海道・十勝へ移住。
録音エンジニア五島昭彦氏より金田式バランス電流伝送 DC 録音技術を承継し、 ヴィンテージ機材で高品位録音を実践。
ヒーリング音響ブランド「Curanz Sounds」でソルフェジオ周波数音源を配信。
“音の文化を未来へ”届ける活動を展開中。