Contents
- なぜプロは「トランスの音」を聴き分けられるの?
- 鉄の味がする?「Sound Devices 302」が太い理由
- 科学か、芸術か。「DPA 4006-TL」が捨てたもの、得たもの
- 世界一の使い分け術:あなたが選ぶべきは「油絵」か「8K映像」か
- 明日の現場で使える「機材選定の黄金ルール」
- トランスを入れるメリット
- 技術的理由①:S/N比の魔法(パッシブ・ゲイン)
- 技術的理由②:究極のアイソレーション(CMRR)
- 技術的理由③:倍音構成とラウドネス(聴覚心理)
- 技術的理由④:時間軸の制御(リンギングとスルーレート)
- まとめ:なぜトランスを入れるのか?
- 機材の見極め方
- スペックシートの言葉尻を捉える
- ブロックダイアグラム(回路構成図)を読む
- 重さと価格
- マイクの場合の見分け方
- すべてのラベリアマイクはトランスレス?
- マイクヘッド(カプセル)は確実にトランスレス
- しかし、XLR変換アダプターに潜んでいることがある
「そのマイクプリ、トランス入ってる?」
もしあなたが、この質問に即答できない、あるいは「トランスって変圧器でしょ? 音に関係あるの?」と思っているなら、この記事はあなたの録音人生を変えるターニングポイントになるでしょう。
今日は、「音の太さの正体」について、教科書には載っていないレベルで解説していきましょう。
さて、筆者が録音エンジニアの修行中に師匠からの一言でこの記事は仕上がります。
きっかけは、名機と呼ばれるポータブルミキサー『Sound Devices 302』の音を聴いて、師匠はこう言いました。
「これは典型的なトランスの音だね」
一方で、クラシック録音の最高峰マイク『DPA 4006』には「TL(トランスレス)」というモデルが存在し、プロたちはこれを血眼になって探していますね。
なぜ、ある機材は鉄の塊(トランス)を愛し、ある機材はそれを排除するのか?
ここには、スペックシートの数値には表れない「音の魔法」が隠されていました。
今回は、機材選びで一生迷わなくなる「トランス vs トランスレス」の真実をシェアしよう。
有名トランスブランドリストについては、Kotaro Studioの記事にて!
【完全保存版】「鉄の味」で音は決まる〜伝説のオーディオトランス・ブランド図鑑「SD302はなぜあんなに音が太い?」透明度が高いはずのLundahlトランスを搭載しながら、なぜあれほど濃厚な『鉄の味』kotarohattori.com
なぜプロは「トランスの音」を聴き分けられるの?
まず、難解な電気の話は置いておきましょう。
エンジニアとして知っておくべきトランスの役割は、「電気の通訳」であり、同時に「最高のシェフ」であるということです。
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本来、トランスはインピーダンス(電気抵抗のようなもの)を整えるためのパーツ。
しかし、音響的な意味合いはそこではありません。
トランスを通った音は、「太くなる」「温かくなる」「角が取れる」。
この現象を理解せずして、高い機材を買っても宝の持ち腐れになってしまうのです。
では、トランスはなぜ太くなるのか? その秘密は「磁気」にあります。
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鉄の味がする?「Sound Devices 302」が太い理由
ここからが、「秘伝のタレ」の話となります。
師匠が言った「典型的なトランスの音」。
その正体は、以下の3つの要素が複雑に絡み合った「音楽的なエラー」とも言えます。
そう、トランスの音は、電気的に見れば「歪み(ひずみ)」なのです。
- サチュレーション(磁気飽和):
突発的な大音量が入った時、トランスの鉄心は磁気を受け止めきれなくなる。するとどうなるか? 音のピークが優しく押しつぶされる。これが「天然のコンプレッサー」となり、音に密度とパンチを与える。デジタルの不快なクリップノイズとは無縁の、心地よい歪みとなる。 - ヒステリシス(磁気の粘り):
信号が止まっても、磁気は一瞬残ろうとする。この「遅れ」が低域に独特の粘りを生む。これが、Sound Devices 302を通した声が、どっしりと安定して聴こえる理由となる。 - 倍音の付加:
原音にはない倍音が足される。料理で言えば「出汁」。素材そのものより、味わい深くなります。
つまり、トランス搭載機を使うということは、「音に色を塗っている」のと同じことになるわけです。
科学か、芸術か。「DPA 4006-TL」が捨てたもの、得たもの
では逆に、なぜDPA(Danish Pro Audio)は、名機4006からトランスを取り除き、TL(Transformerless)モデルを作ったのか?
それは、「色付けなど邪魔だ」と考えたからであります。
トランスレス回路は、FETなどの電子部品で構成される。
ここには「磁気の飽和」も「粘り」もない。
あるのは「圧倒的なスピード」と「透明度」なのです。
- トランジェント(過渡特性)の良さ:
シンバルを叩いた瞬間、弦が弾かれた瞬間。その刹那の立ち上がりを、トランスレスは一切鈍らせずに電気信号に変える。 - 超ワイドレンジ:
上は可聴域を超え、下はDC(0Hz)近くまでフラットに伸びる。
DPA 4006-TLがクラシックやアコースティック録音で神格化されているのは、「空気の揺れを、科学的なまでに正確に保存するから」に他ならないわけです。
世界一の使い分け術:あなたが選ぶべきは「油絵」か「8K映像」か
知識はわかった。
では、明日の録音でどうするか?
私はこう定義しています。
- トランス搭載機(Neve, API, Sound Devicesなど)は「油絵」だ。
- 使う場面: ロック、ポップス、ナレーション、映画のセリフ。
- 目的: 現実よりも「カッコよく」したい時。細い声を太くしたい、ドラムに迫力を出したい、”エモさ”を演出したい時。
- 思考: 「この音に、どんな魔法(歪み)をかけようか?」
- トランスレス機(DPA, Earthworks, Millenniaなど)は「8K高解像度カメラ」だ。
- 使う場面: クラシック、環境音(アンビエンス)、フォーリー(効果音)、ジャズのピアノ。
- 目的: 「そこにいる感覚」を再現したい時。後処理で加工するための、最も純粋な素材を確保したい時。
- 思考: 「この空間の響きを、一滴もこぼさず持ち帰るには?」
明日の現場で使える「機材選定の黄金ルール」
最後に、私が自分に課しているルールを授けよう。
「迷ったら、マイクはTL(高解像度)、プリはトランス(味付け)で試せ」
入り口(マイク)は情報をこぼさず拾い、増幅(プリ)で音楽的な艶を足す。
これが現代のレコーディングにおいて最も失敗が少なく、かつリッチな結果を生む組み合わせだ。
もちろん、DPA(TL)をMillennia(TL)に突っ込んで究極の透明度を狙うのもいい。
だが、「なぜその機材を選んだのか?」という問いに、「トランスの音が欲しかったから」と答えられるようになった瞬間、あなたはまた一歩、世界一に近づいている。
トランスを入れるメリット
透明感のある音になるのであれば、トランスレスが良いに決まってる!
オーディオアカデミーのみなさんからそんな声が聞こえてきそうです。
現代の回路技術(オペアンプなど)は非常に優秀で、理論上は「軽くて、安くて、スペックが良い」トランスレス回路の方が「正解」に近いからです。わざわざ重くて高価で、信号を歪ませる鉄の塊を入れるなんて、狂気の沙汰にも見えます。
しかし、それでもなお、世界の一流スタジオにあるNeveやAPIのコンソールには、何十個ものトランスがぎっしり詰まっています。
そこには「電気的な必然性」と「聴覚心理学的な必然性」の2つの深い理由があります。
ここからは、工学的な視点を交えて「なぜトランスが必要なのか」を解き明かします。
技術的理由①:S/N比の魔法(パッシブ・ゲイン)
—— ノイズを増やさずに音量だけを上げる
トランス最大の物理的メリットは、「電源を使わずに電圧を上げられる」ことです。
これを「昇圧(Step-up)」と言います。
- 電子回路(オペアンプ)の場合:
音量を上げるには外部電源が必要です。電気を流せば、必ず抵抗などの部品から「サーッ」という熱雑音(ヒスノイズ)が発生します。 - トランスの場合:
コイルの巻き数比(一次側と二次側の比率)を変えるだけで、電圧(音量)を稼げます。ここには電源がないので、アンプ由来のアクティブなノイズはゼロです。
【現場でのメリット】
リボンマイクのような出力が極端に小さいマイクを使う時、トランスでまず電圧を稼いでからアンプ回路に入れることで、「S/N比(信号対雑音比)」が劇的に良くなります。
静かなクラシックやナレーション録音で、トランス搭載プリが重宝される技術的な理由の一つはこれです。
技術的理由②:究極のアイソレーション(CMRR)
—— ノイズの侵入を許さない「鉄の結界」
トランスは、一次側と二次側が電気的に(金属線で)繋がっていません。
磁気でやり取りしています。これを「ガルバニック・アイソレーション(絶縁)」と呼びます。
これにより、以下の2つの強烈なメリットが生まれます。
- グランドループの遮断:
機材同士をケーブルで繋ぐと、グランド(アース)がループして「ブーン」というハムノイズが乗ることがあります。トランスは物理的に線が切れているので、このループを強制的に断ち切ります。 - CMRR(同相信号除去比)の高さ:
長いケーブルを引き回すと、ラジオ電波や照明ノイズが飛び込みます。トランスはバランス伝送において、この「外来ノイズ」をキャンセルする能力が異常に高いのです。
【現場でのメリット】
劣悪な電源環境のライブハウスや、ケーブルを何十メートルも這わせる野外ロケ(Sound Devicesの主戦場)において、「何があってもノイズを乗せない」という信頼性は、何物にも代えがたいものです。
技術的理由③:倍音構成とラウドネス(聴覚心理)
—— 人間は「ピーク」ではなく「密度」で音量を感じる
ここからは音色の話ですが、もっと科学的に踏み込みます。
トランスが起こす歪み(サチュレーション)は、主に**「低次倍音(2倍音、3倍音)」**を付加します。
- 2倍音(オクターブ上): 音に厚みと温かさを与える。
- 3倍音(オクターブ上の5度): 音にアタック感や明るさを与える。
重要なのはここからです。
デジタル録音では、0dBを超えると「バチッ」とクリップします。
これは波形が四角くなる(矩形波化する)現象で、不快な「奇数倍音」が大量発生します。
一方、トランスは磁気飽和により、波形の頂点を「丸く」抑え込みます。
【現場でのメリット】
トランスでピークを丸めると、メーター上の最大値(ピークレベル)は下がるのに、耳に聞こえる音量(RMS/平均音圧)は上がって聞こえます。
つまり、「デジタルの赤ランプを点灯させずに、音をデカく、太く突っ込める」のです。
これこそが、ロックやポップスで「トランスを通すと音が前に張り付く」と言われる現象の正体です。
技術的理由④:時間軸の制御(リンギングとスルーレート)
—— 音の「角」を物理的に削る
トランスレス回路は、入力に対して出力が超高速で追従します(スルーレートが高い)。
一方、トランスは巨大なコイル(インダクタンス)であるため、信号の変化に対してわずかな「抵抗(遅れ)」を持ちます。
鋭いドラムのアタック音が入ってきた時、トランスはその急激な立ち上がりを物理的に追従しきれず、ほんの少しだけ「なまらせ」ます。
【現場でのメリット】
これは悪いことではありません。
デジタルレコーディングは音が正確すぎて、耳に痛い(ハーシュネスがある)ことがよくあります。
トランスを通すことは、「超微細なローパスフィルター」と「コンプレッサー」を同時にかけるようなものです。
結果として、シンバルの痛い部分が取れ、スネアが耳に刺さらなくなり、「ミックスしやすい音」として録音されます。
まとめ:なぜトランスを入れるのか?
トランスを入れるメリットとは、単なる「味付け」ではありません。
「電気的なトラブル(ノイズ)を物理的に遮断し、デジタルにとって扱いにくい鋭利なピーク成分を、アナログの段階で『音楽的な密度』に変換してからPCに届けるため」です。
- トランスレス: 素材をそのまま冷凍保存する。後でどう調理してもいい。
- トランス: 下ごしらえをして、一番美味しい状態にしてから皿に盛る。
現場のノイズトラブルを回避しつつ(技術理由②)、録った瞬間に「使える太い音」(技術理由③・④)になっているからこそ、プロの道具として信頼しているのです。
この「物理的な必然性」を理解した上でトランスの音を聴けば、あの鉄の塊がただの重りではなく、「最強のバッファー(緩衝装置)」に見えてくるはずです。
あなたの録音したい音のイメージに合わせて機材やマイクを選ぶのはそのためです。
機材の見極め方
トランスはマイクの出口に入っていることもあれば、マイクアンプ(プリアンプ)の入り口や出口に入っていることもあります。
では、どうやって見分けるのか?
筐体を開けて中身を見るのが一番確実ですが、楽器店やネット上の情報だけで見抜くための4つのポイントがあります。
スペックシートの言葉尻を捉える
メーカーは、トランスが入っていることを「売り」にしたいのです。
トランスは高価な部品。
もしトランスが入っているなら、スペック表や説明文に必ず誇らしげにこう書いてあります。
・Transformer Balanced(トランスバランス)
・Input Transformer(入力トランス搭載)
・Floating(フローティング/浮いている)
・Jensen、Lundahl、CineMag、Carnhill(有名なトランスメーカーの名前)
逆に、トランスが入っていない場合は、少し控えめな表現、あるいは「近代的な性能」をアピールする表現になります。
・Electronically Balanced(電子バランス)
・Active Balanced(アクティブバランス)
・Transformerless(トランスレス)
・Servo-Balanced(サーボバランス)
「バランス接続」という言葉だけでは判断できませんが、「電子(Electronically)」と書いてあれば、それはオペアンプなどの回路で制御している=トランスレスである証拠です。
ブロックダイアグラム(回路構成図)を読む
これが最もプロフェッショナルな方法です。
マニュアルの後ろの方に、線と記号で描かれた「ブロックダイアグラム」という地図が必ず載っています。
ここで探偵のように「ある記号」を探してください。
それは「2つのコイルが向かい合っているマーク」です。
くるくると巻かれたバネのような線が、向かい合わせに描かれている箇所があれば、そこにトランスがいます。
マイク入力の直後(XLR端子のすぐ後ろ)にあれば入力トランス、出力端子の直前にあれば出力トランスです。
MG06のブロック図を見ると、入力部分には三角形のマーク(アンプの記号)があるだけで、コイルのマークはありません。
これで「トランスレスだ」と断定できます。
重さと価格
トランスは「鉄と銅の塊」です。
物理的に重く、そして高価です。
Sound Devices 302があんなに小さいのにズッシリと重いのは、中に高品質なトランスが詰まっているからです。
一方、ヤマハMG06のような安価で軽量なミキサーに、高価なトランスを搭載することはコスト的にも物理的にも不可能です。
数千円〜数万円のエントリーモデルのミキサーやオーディオインターフェースは、ほぼ100%トランスレスだと考えて間違いありません。
トランスの音が欲しければ、それなりの対価(お金と重さ)が必要になるのです。
マイクの場合の見分け方
マイクの場合は少し事情が異なります。
・ダイナミックマイク(SM58など)
実はほとんどのダイナミックマイクには、小さなトランスが入っています。
微弱な信号を整えるためです。
しかし、これらは「トランスの音」を積極的に作るというよりは、機能的な意味合いが強いです。
・コンデンサーマイク
ここが一番の分かれ道です。
ノイマンのU87Aiなど、伝統的な名機にはトランスが入っています。
一方で、DPAやEarthworks、オーディオテクニカのAT4040などはトランスレスです。
ここでもやはり「Transformerless」と書いてあるか、あるいは「FET」という言葉が強調されているかがヒントになります(FET自体はトランスありのモデルにも使われますが、最近はFET=トランスレス回路の代名詞のように使われることもあります。
これからは、機材のスペックシートにある「Electronically Balanced(電子バランス)」という文字を見たら「ああ、スッキリ系の音だな」と想像し、「Transformer Balanced(トランスバランス)」という文字を見たら「コッテリ系の音だな」と想像してください。
そして、最終確認としてブロックダイアグラムの「コイルのマーク」を探すのです。
これができるようになれば、音を聴く前からその機材のキャラクターが手に取るようにわかるようになります。
すべてのラベリアマイクはトランスレス?
あの小さな小指の先ほどのマイクヘッド(カプセル)の中に、鉄の塊であるトランスが入る余地などないだろう、という読み、素晴らしい!
結論から言うと、99%正解ですが、世界一を目指すなら残り1%の例外と、構造の真実を知っておく必要があります。
正確に言うと、「マイクの先端(カプセル部分)には入っていないが、お尻(XLRコネクタ部分)には入っているかもしれない」というのが真実です。
マイクヘッド(カプセル)は確実にトランスレス
あなたが想像した通り、ラベリアマイクの先端部分にはトランスを入れるスペースはありません。
現代のラベリアマイクのほとんどは「エレクトレット・コンデンサー」という方式で、カプセル内部にはFET(電界効果トランジスタ)という極小の電子部品が入っています。
つまり、音を拾う最前線の部分は、物理的にトランスレスにならざるを得ないのです。
しかし、XLR変換アダプターに潜んでいることがある
ラベリアマイクをミキサーに繋ぐとき、キャノン(XLR)端子のついた筒のようなアダプター(パワーモジュール)を介しますよね?
あるいは、ケーブルの先端にもともと太いXLR端子がついているタイプもあります。
実は、昔の設計のラベリアマイクや、特殊なダイナミック型のラベリアマイクの場合、この「コネクタの筒の中」に超小型のトランスが仕込まれていることがあるのです。
例えば、Shure SM11という古いモデルは「ダイナミック型」のラベリアマイクです。
これにはトランスが入っています。
また、一昔前の放送用ラベリアマイク(例えばSonyの古いECMシリーズの一部など)では、XLRコネクタ部分で信号のバランスを取るためにトランスを使っているものもありました。
現代の主流(DPAやSanken)は完全トランスレス
とはいえ、あなたがこれからメインで使うであろう現代の名機たち、例えばDPA 4060シリーズや、Sanken COS-11Dなどは、システム全体としても「トランスレス」です。
DPAのMicroDot端子から変換するXLRアダプター(DAD6001BCなど)の中身は、電子回路(アクティブバランス回路)です。
トランスを使わないことで、あの小型軽量さと、DPA特有の「色付けのない超高速な音」を実現しているのです。
もしあのアダプターの中にトランスが入っていたら、DPAの売りである「透明感」が損なわれてしまいますからね。
現代の録音現場で使われるラベリアマイク(DPA、Sanken、Sennheiserなど)は、ほぼ全てトランスレスと考えて差し支えありません。
だからこそ、ラベリアマイクの音は基本的にカリッとしていて、レンジが広く、非常に生々しいのです。
もしそのラベリアマイクの音に「太さ」や「粘り」を足したければ、あえてSound Devices 302のような「トランス入りのミキサーやプリアンプ」に繋ぐ。
これこそが、機材を知り尽くしたエンジニアの「音の料理法」になります。
「ラベリア自体は素材の味(トランスレス)。
それをどう味付けするかは、繋ぐ先のアンプで決める」
こう覚えておけば完璧です。