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こんにちは。
朝比奈幸太郎です。
先日、Obsidianの思想についてお話ししました。
PCの中にあなただけの宇宙を作る、その静かなる興奮について。
今日は、その宇宙を開拓するための「道具」の話をします。
インストールしたばかりのObsidianは、いわば何も置かれていない真新しいスタジオです。
そこに、どのような楽器(プラグイン)を並べ、どのような指揮者(AI)を招き、どうやって自在に演奏(操作)するか。
「難しそう」と身構える必要はありません。
私が紹介するセットアップをそのまま真似るだけで、あなたのObsidianは「ただのメモ帳」から「最強の思考オペレーティングシステム」へと進化します。
プラグインの導入からAIとの連携、そしてマウスを捨てるためのショートカットキーまで。
すべてをここに記しました。
1. プラグインという「魔法」の導入法
Obsidianの真価は、ユーザーが有志で開発した「コミュニティプラグイン」にあります。
これらを導入することで、カレンダー表示や看板ボード、データベース機能などが使えるようになります。
しかし、初期状態ではセキュリティのためにこれらの機能はロックされています。
まずは「門」を開けましょう。
🚀 コミュニティプラグインの解禁手順
以下の手順は、すべてのカスタマイズの基本となります。
- 左下の「歯車アイコン(設定)」をクリックします。
- 左メニューから「コミュニティプラグイン」を選択します。
- 「セーフモード」という項目が「オン」になっているはずです。これを「オフ」にします。
- 警告が出ますが、「Turn off Safe Mode(セーフモードを無効化)」をクリックして許可してください。
これで準備完了です。
「閲覧(Browse)」ボタンを押せば、数千のプラグインが並ぶ宝の山にアクセスできます。
2. これだけは入れろ!Obsidian必須プラグイン厳選10選
「多すぎて何を入れていいかわからない」というあなたへ。
音楽家の私が、ノイズを排除し、思考の純度を高めるために選び抜いた10個のプラグインを紹介します。
迷ったら、まずはこの10個をインストールしてください。
Obsidianの右サイドバーにカレンダーを表示します。
日付をクリックするだけで、その日の「デイリーノート」が作成・表示されます。
過去の日付をクリックして、「先週の火曜日に何を考えていたか」を振り返るのにも最適です。
定型文を瞬時に呼び出す機能です。
標準のテンプレート機能よりも遥かに強力で、日付の自動挿入やカーソル位置の指定などができます。
Alt + E で一瞬で呼び出しています。
Trelloのような「カンバンボード(Todo管理)」をObsidian内で作れます。
Markdownファイルなので動作が爆速です。
箇条書き(リスト)の操作性を劇的に向上させます。
WorkflowyやDynalistのように、ショートカットで項目の入れ替えや折りたたみがスムーズになります。
箇条書きだけで構成を練る時に、このプラグインがないとストレスで死にそうになります。
Markdownの弱点である「表(テーブル)」の作成を簡単にします。
Excelのようにタブキーで隣のセルに移動したり、自動で幅を調整してくれます。
【最強の機能】 ノートをデータベースのように扱えます。
「タグに #book が付いているノートを一覧表示する」といった動的なリストを自動生成できます。
後で必ず使いたくなります。
手書きのような図解やホワイトボードを描ける機能を追加します。
iPadとApple Pencilを使っている人には特におすすめです。
描いた図の中にObsidianのリンクを埋め込めます。
タグの名前を一括変更したり、タグの階層を整理したりできるようになります。
タグ管理をするなら必須です。
WordやGoogle Docsのように、画面上部に「太字」「見出し」「色変更」などのツールバーを表示します。
Markdown記法を覚えていない初心者の方には救世主となります。
サイドバーに「最近開いたノート」のリストを表示します。
地味ですが、作業効率が格段に上がります。
3. Obsidianに「AIの脳」を移植する(AI導入ガイド)
Obsidianには標準のAI機能はありません。
しかし、だからこそ「自分好みのAI」を連れてくることができます。
ここでは、最も手軽で強力な「Copilot (コパイロット)」というプラグインを使って、ChatGPTをObsidian内で動かす手順を解説します。
※前提として、OpenAI社のAPIアカウント(クレジットカード登録が必要)が必要です。
STEP 1: OpenAIの「鍵(API Key)」を入手する
AIを動かすためのパスポートを取得します。
- OpenAIの API管理画面 (Platform) にアクセスし、ログインします。
- メニューから「API Keys」を探し、「Create new secret key」をクリックします。
- 表示された長い文字列(sk-…で始まるコード)をコピーします。
※このキーは一度しか表示されないので、絶対に他人に教えないでください。
STEP 2: Obsidianに「Copilot」を入れる
- Obsidianの「コミュニティプラグイン」の閲覧画面を開きます。
- 検索窓に「Copilot」と入力します。(開発者: Logan Yang 氏のものを選んでください)
- インストールし、「有効化」します。
STEP 3: 鍵をセットして起動する
- Obsidianの設定画面の下の方に「Copilot」という項目が増えているのでクリックします。
- 「API Key」という欄に、先ほどコピーした「sk-…」のキーを貼り付けます。
- 設定を閉じ、サイドバー(右側)にあるCopilotのアイコンをクリックします。
これで、Obsidianの右側にチャット画面が現れます。
「この記事の要約をして」「この文章の続きを考えて」と話しかけてみてください。
あなたのノートを見ながらAIが手伝ってくれる。
これが「第二の脳」の完成形です。
4. マウスを捨てろ!必修ショートカットキー一覧
思考の速度を落とさないためには、キーボードから手を離さないことが重要です。
Obsidianには何百ものショートカットがありますが、「これだけは覚えておけ」というものを厳選しました。
これだけは覚えて:神のコマンド
| 機能 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| コマンドパレット (すべての機能を検索・実行) |
Ctrl + P | Cmd + P |
※ショートカットを忘れたら、とりあえず Ctrl/Cmd + P を押せば、そこからすべての機能が見つかります。
基本操作・ナビゲーション
| 機能 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 新規ノート作成 | Ctrl + N | Cmd + N |
| ファイルを開く (検索) | Ctrl + O | Cmd + O |
| ファイルを閉じる | Ctrl + W | Cmd + W |
| 全文検索 (全ノートから) | Ctrl + Shift + F | Cmd + Shift + F |
| 設定画面を開く | Ctrl + , | Cmd + , |
編集・ライティング
| 機能 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| プレビュー / 編集モード切替 | Ctrl + E | Cmd + E |
| リンクを挿入 | [[ (入力するだけ) | [[ (入力するだけ) |
| 太字にする | Ctrl + B | Cmd + B |
| 見出しにする | # + Space | # + Space |
| チェックボックス作成 | Ctrl + L | Cmd + L |
画面分割(ペイン操作)
| 機能 | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 左右に分割する | ※設定で割り当て推奨 | ※設定で割り当て推奨 |
| サイドバーの開閉 | Ctrl + B (左) Ctrl + R (右) |
Cmd + B (左) Cmd + R (右) |
おわりに:道具を飼いならす喜び
ここまで読んでくださったあなたは、もうObsidianの初心者を卒業し、「設計者」としての第一歩を踏み出しています。
プラグインを入れ、AIを繋ぎ、ショートカットを指に覚え込ませる。
最初は面倒に感じるかもしれません。
しかし、これらは一度設定してしまえば、あなたの生涯にわたって「思考の摩擦」を減らし続けてくれる資産となります。
Obsidianは、あなたの成長に合わせて姿を変える、生き物のようなツールです。
さあ、あなただけの「第二の脳」を構築し、新しい知のシンフォニーを奏でてください。
朝比奈幸太郎
おまけ:あなたの「脳」を鉄壁に守るセキュリティ対策
さて、最後に非常に重要な話をしましょう。
「第二の脳」であるObsidian Vaultには、あなたのアイデアだけでなく、時にはパスワードや個人情報など、他言無用な秘密も記録したくなるものです。
あなたは現在、MEGAなどのクラウドストレージを使って同期していると思いますが、もしそのクラウドのアカウントがハッキングされたり、同期しているPCを紛失したりしたら?
そのままでは、あなたの秘密は丸裸です。
ここでは、Obsidianの快適さを損なわずに、データを「盗まれても読めない状態」にするための鉄壁の守り方をお教えします。
⚠️ 大前提:パスワード管理について
まず、音楽家としての率直なアドバイスです。
銀行の暗証番号や重要なパスワードを、「そのままの文字(平文)」でObsidianに書くのはやめてください。
餅は餅屋です。
パスワード管理には『1Password』や『Bitwarden』といった専用の暗号化ソフトを使うのが定石です。
それでもなお、「Obsidianですべてを一元管理したい」という場合は、以下の2つの方法のいずれかを必ず導入してください。
対策1:最強の盾「Cryptomator」を使う(推奨)
これが最も確実で、私も採用している方法です。
Cryptomator(クリプトメーター)は、GoogleドライブやMEGAなどのクラウドストレージにファイルを送る前に、手元で自動的に暗号化してくれるフリーソフトです。
仕組み:
- PC上に「金庫」のような仮想ドライブを作ります。
- Obsidianからは、その「金庫」の中に普通にファイルを保存します。
- しかし、MEGAに同期される実体ファイルは、意味不明な乱数データに暗号化されています。
つまり、もしMEGAのサーバーからデータが盗まれても、ハッカーにはゴミデータにしか見えません。
あなたのPCで「金庫」を開けた時だけ、Obsidianが中身を読めるようになります。
Cryptomatorをインストールし、MEGAのフォルダ内に「Vault(金庫)」を作成。
Obsidianにはその金庫の中身を読み込ませるだけです。
これで完全なセキュリティが手に入ります。
対策2:プラグイン「Meld Encrypt」で部分的に鍵をかける
「Vault全体を暗号化するのは大掛かりすぎる」という場合は、Obsidianのプラグインで「特定のノートだけ」に鍵をかける方法があります。
コミュニティプラグイン:Meld Encrypt
このプラグインを入れると、ショートカット一つでノートの中身を暗号化できます。
パスワードを入力しないと復号できないため、万が一ファイルを見られても中身は読めません。
「パスワード一覧」というノートを作り、そのノート全体をこのプラグインで暗号化してしまうのが、手軽な運用としては最適でしょう。
対策3:PC自体の施錠(BitLocker / FileVault)
そもそも、PCを物理的に盗まれた場合に備えて、OSレベルの暗号化も忘れないでください。
- Windows: BitLockerを有効にする。
- Mac: FileVaultを有効にする。
これを行っておけば、PCを盗まれて分解されても、HDD/SSDからデータを抜き出すことは不可能です。
自由には責任が伴います。
「ローカルファースト」であるObsidianは、データを企業に覗かれない自由がある代わりに、守る責任も自分にあります。
ぜひ、堅牢な城壁を築いた上で、安心して創作活動に没頭してください。