今日はハンダに関する話題。
オーディオ機材と向き合ってきた私が、ハンダ付けのコツとこだわりを解説。
ハンダ付けってどこか技術者の領域だとイメージしやすいですし、音楽家とどういうつながりがあるのか?よくわからない方も多いでしょう。
しかし、音楽家は音に対する責任を極限まで高める存在であるわけで、マイクやアンプ、レコーダーなども回路図から全て把握し、自身でメンテナンスすることで最後まで責任を持って音と対峙することができるわけです。
そしてハンダ付けというのはある種哲学的な要素を持っているわけであります。
筆者が尊敬するアーティスト:金田明彦氏の書籍にも次のように記載されています。
たかがハンダ付けと安易に考えてはならない。
ハンダ付け1箇所で音が変わる。
恐ろしいことにハンダ付けをした人間の性格が現れるのだ。
几帳面な人では几帳面な音。
大らかな性格な人では大らかな音。
適当な性格な人では適当な音になる。
不思議な事に几帳面過ぎても音は良くない。
程よく几帳面で、程よく適当な人が音楽的に良い音を出す。
引用:オーディオDCアンプ制作のすべて上巻(2003年3月7日)
このオーディオDCアンプ制作のすべて上巻は特に初心者に向けてのメッセージの多いもので、金田氏の書籍の中でも特におすすめです。
この引用分のあとには、ではなぜ性格が音に影響するのか?という論理的な解説が盛り込まれています。
確かに間違いなくハンダ付けというのは性格がでます。
そしてさまざまな哲学が盛り込まれていると感じます。
筆者の好きな風林火山、そして待つは仁なり。
待てない(コンマ単位で)人はハンダの形が美しくないのです。
待ちすぎる人はいつまで経っても形が決まらず、優柔不断な人は、何度も溶かして固めてを繰り返すでしょう。
一瞬の集中力と、これでいくという決断力、理想の形に決まった時にじっと待つ力、そして何よりもハンダ線そのものの美しさに見惚れる感性が重要になります。
だからこそ筆者である朝比奈幸太郎自ら手がけたマイクロフォンは朝比奈幸太郎の音が鳴るんです。
というちょっと今日は宣伝のようになっていましたね。
音楽に携わっている方でハンダをまだ持ったことのない方、ぜひ一度手にしてみてください。
ハンダにはたくさんの美学が詰まっていること、そして音のないインプロビゼーションがそこから繰り広げられていく哲学を感じられると思います。
では。
この記事を書いた人:朝比奈 幸太郎
音大卒業後ピアニストとして活動後、渡独。
帰国後タイムマシンレコード・五島昭彦氏に師事し、究極のアナログ録音「金田式DC録音」の技術を継承。
Revox等のヴィンテージ機材のレストア技術を持ち、マイク、アンプ、スピーカーに至るまでシステムを根底から自作・設計する録音エンジニア。
物理特性と芸術性が融合する「本物の音」を追求・発信している。