江戸崎かぼちゃとながちゃんかぼちゃ

北海道のかぼちゃ事情という記事を投稿しようと思っていたわけですが、美食家のハンターさんから、江戸崎かぼちゃというものをいただきましたので、いろいろ調べてみようと思っているわけです。

かぼちゃといえば、僕は子供の頃唯一食べられなかった食べ物でしたが、現在では1位2位を争うほど好きな野菜、、、といってもいいほど大好きな野菜になりました。

写真はかぼちゃ畑。

かぼちゃって北海道が名産のイメージが強いですよね?それは北海道に来てみてよくわかったんです。

かぼちゃは基本的にとんでもなくツルを伸ばして、ひろーーーーーーーーーーい面積に伸びていきます。

それはそれはどこまでも伸びていくので、境界線までツルが伸びてきたら束ねたり、ここからはいけませんと処理してあげないといけないほど。

また、本ヅルだけ残して他は切ってあげることで大きく、甘みの詰まったかぼちゃに育つわけです。

収穫のタイミングは、手でもぎってポロッと取れるくらい。

ちぎったり、ハサミなどを使わないと取れないものはまだ・・・置いておきましょう。

とはいえ、かぼちゃを家庭菜園でできる人は本州でもかなり限られていると思いますが、北海道では結構みなさん家庭菜園でかぼちゃやってます。

と、ここまでがかぼちゃの一般的な知識。

ここから江戸崎かぼちゃというのを紹介しましょう。

江戸崎かぼちゃの特徴と魅力

かぼちゃといえば秋や冬のイメージが強いですが、実は品種によって旬の時期や特徴はさまざま。
今回は、ブランドかぼちゃとして有名な「江戸崎かぼちゃ」と、ちょっと珍しい細長い形の「ながちゃんかぼちゃ」を紹介します。

どちらもちょっと珍しくなかなか手に入りにくいものなので、料理好きさんにとっては、気になる食材ですよね。

茨城県稲敷市江戸崎地区で栽培されるブランド南瓜「江戸崎かぼちゃ」は、ほくほく感と強い甘みが最大の特徴。

蒸したり煮たりすると粉ふきいものようにほっこり仕上がります。

  • 旬の時期: 初夏(5月下旬~7月下旬)
  • 保存性: 完熟収穫のため長期保存は苦手。買ったら10日以内に食べ切るのがおすすめ
  • 価格帯: 1玉1,500~2,600円ほど(スーパーではカット売りで高め)
  • 入手先: 茨城県内直売所、首都圏のスーパー、JA稲敷直売所の通販など

ちょっとお値段は張りますが、ブランド品ならではの濃厚な甘さは一度味わう価値あり!

江戸崎かぼちゃ 誕生ストーリー

  • 江戸崎かぼちゃは 昭和40年代(1970年頃) に、7名の生産者がかぼちゃを作り始めたことがスタートとされています。地域の地力(土壌)や気候条件が“かぼちゃ栽培に適している”ことがわかり、試行錯誤の中で栽培方法が確立されていったそうです。
  • 土壌は関東ローム層(火山灰堆積土)で排水性が良く、雨が降った後でもぬかるみにくいなどの利点があります。降水量や気候も安定しており、これらを活かす形で生産が育てられてきました。
  • 「江戸崎かぼちゃ」は品種ではなく 地域ブランド名 で、実際には「黒皮栗かぼちゃ」の中の「えびすかぼちゃ」などの品種が使われることが多い、という記録があります。つまり、品種そのものをオリジナル一品種として“特許”や“育成者権”で独占しているわけではないようです。
  • 生産者団体である JA稲敷江戸崎南瓜部会 が中心となって、栽培方法・収穫時期・検査体制などを統一・徹底することで、品質を確保する努力が続けられてきました。
  • 特に「完全に完熟した状態で収穫する(着果から約55日)」ことが大きなこだわり。一般のかぼちゃが45日程度で収穫するのに対して、この“10日ほど余分に熟成させる”ことで甘味とホクホク感を引き出していることが、特徴として強調されています。
  • 昭和57年(1982年) に、茨城県の銘柄産地指定を受けています。これが県による認定制度であって、後に国のブランド制度、保護制度につながっていきます。
  • 平成27年12月22日(2015年) に、江戸崎かぼちゃはGI制度(Geographical Indication;地理的表示保護制度)に登録されました。これは野菜分野では比較的早期の登録例の一つで、「夕張メロン」「神戸ビーフ」などと同時期の制度第1弾の産品のひとつです。

ながちゃんかぼちゃの特徴と魅力

ながちゃんかぼちゃは、細長い形がユニークな大玉品種。

果皮が薄く包丁が入りやすいので、調理のしやすさは抜群です。

甘みがかなりしっかりしていて、かぼちゃのスイーツなどを作ると、もう本当に絶品。

全く甘党ではない(年に1回ほど砂糖使う程度)の筆者がながちゃんかぼちゃの自然の甘さの虜になりました。

  • 旬の時期: 夏~秋(主に北海道・東北産)
  • 保存性: 常温冷暗所で1~2ヶ月程度保存可能(カット後は冷蔵で5~7日以内)
  • 価格帯: 1玉1,000~2,000円台が目安
  • 入手先: 産直サイト(食べチョクなど)、北海道や東北の直売所・通販

スーパーではなかなか見かけない珍しいかぼちゃですが、ネット通販を活用すれば入手可能です。

メルカリで去年一人だけ生産者の方が出品していましたが、今年はなかったり。

まったくもう、美味しすぎて自分が生産者あったとしたら、売ろうとまでは思いません。

それくらい美味しいです。

ながちゃんかぼちゃの育種・開発背景

  1. 種苗会社(雪印種苗株式会社)による品種登録/販売
    • 「ながちゃん」は雪印種苗(Yukijirushi Seed)から商品として種が提供されている品種で、「交配名:雪印」という表記があります。これは、雪印種苗が交配育成に携わった品種であることを意味します。
    • 種苗会社の商品ラインナップにあることから、商用・家庭用の両方を念頭に置いた育種/普及展開がされている品種です。
  2. 育成目的と特徴のこだわり 公開資料によれば、ながちゃんは以下のような目的・こだわりをもって育成されたと考えられます:
    • 大きさ・見栄え:長さ40cm、重さ2~3kg程度のビッグサイズ。存在感があり、見た目にもインパクトがある品種として育成された。
    • 調理のしやすさ:果皮が薄く、包丁が入りやすいという特徴。肉付きも均等でスライス・カットの歩留まりが高い。こうした特徴は家庭で使う際/加工・調理する際の使いやすさを重視した設計。
    • 味・食感:粉質で甘みがあり、「食味良好」とする評価。ホクホク感+甘みを兼ね備えるように設計されている。
    • 草勢のコントロール:草勢が旺盛で側枝の発生が多いという性質があるため、成育管理をきちんとすること(間引き・株間・側枝処理など)が育てやすさ・収量の確保において重要。育種者側はこの草勢旺盛さを逆手に取るか、管理しやすくする育成・指導を行っている可能性がある。
  3. 育成時期・普及時期が明記されていない
    • 公開されている商品の説明や種子販売情報には、「交配名:雪印」「春蒔き・夏収穫」「中級者向き」といった情報はあるものの、いつこの品種が完成したか、また誰が交配親として使ったかなどは公式文書では確認できていません。
    • ブログ等ユーザー報告では、「2011年に“ながちゃん”を植えたら成功した」「1本の苗から6個収穫できた」という体験記録などがあります。これらは育てやすさ・多収性のポテンシャルを示すエピソードですが、育種ストーリーの正式な部分ではありません。

他にも魅力的なかぼちゃはたくさんあります。