旧約聖書を知るということは世界史を知るということでもあります。
旧約聖書解説シリーズを是非じっくり味わってみてください。
世界の成り立ち、西洋史の流れ、宗教とは何か?
様々なことが見えてくるはずです。
本日は旧約聖書の補足記事ということで、年齢についてお届け。
アダムやノア
旧約聖書の創世記を見てみると、ノアの洪水以前と以後で人間の寿命が大きく変化したことが記されています。
創世記には、ノアの洪水以前と洪水以後で人々の寿命が大きく異なることが記されています。洪水以前の人物は非常に長寿であり、数百年生きることが当たり前でした。しかし、洪水以後の世代からは寿命が短縮され始めます。
ノア以前の長寿
- アダム: 930歳(創世記5:5)
- セト: 912歳(創世記5:8)
- エノシュ: 905歳(創世記5:11)
- ケナン: 910歳(創世記5:14)
- マハラルエル: 895歳(創世記5:17)
- ヤレド: 962歳(創世記5:20)
- エノク: 365歳(創世記5:23)
- メトセラ: 969歳(創世記5:27)
- ラメク: 777歳(創世記5:31)
- ノア: 950歳(創世記9:29)
洪水後の寿命の短縮
- セム: 600歳(創世記11:10-11)
- アルパクシャデ: 438歳(創世記11:12-13)
- シェラ: 433歳(創世記11:14-15)
- エベル: 464歳(創世記11:16-17)
- ペレグ: 239歳(創世記11:18-19)
- レウ: 239歳(創世記11:20-21)
- セログ: 230歳(創世記11:22-23)
- ナホル: 148歳(創世記11:24-25)
- テラ: 205歳(創世記11:32)
当然洪水後であったとしても、現代からは想像もできないほどの長寿であることに変わりありませんが、やはりかなりの変化であると考えます。
これはどのように解釈すればいいか?
短命になった理由
聖書では、具体的に寿命が短縮された理由について明確に説明されていませんが、いくつかの解釈があります。
例えば最も自然な解釈が神の意思によるもの。
創世記の中には、神は人間の寿命を短縮することを決意したとされる箇所があります。
創世記6:3では、神が「わたしの霊は永遠に人の中に留まらない。人は肉に過ぎない。その寿命は120年であろう」と述べています。
これにより、洪水後の世代の寿命が次第に短くなっていったと解釈されます。
また、遺伝の変化説もあります。
筆者が非常に面白いと感じているのが環境の変化説。
【濃厚です】環境変化説
ノアの洪水は地球環境に大きな変化をもたらしたと考えられます。
洪水後の環境の変化が、人々の寿命に影響を与えた可能性は高いでしょう。
例えば、気候の変動や食料の質や量の変化などが挙げられます。
そして何よりも、月の影響です。
実はノアの箱舟以前に、月は存在していませんでした。
いやいや、聖書には書かれているじゃないか!?
「神は言われた。『光るものが天の大空にあって、昼と夜とを分け、しるしのため、季節のため、日と年のために役立つようにしよう。天の大空で光るものが地を照らすようにしよう。』すると、そのようになった。神は二つの大きな光るものを作られた。大きい方の光るものに昼を、小さい方の光るものに夜を治めさせた。また、星も作られた。神はこれらを天の大空に置いて地を照らさせ、昼と夜を治めさせ、光と闇を分けさせた。神はそれを見て良しとされた。夕べとなり、朝となった。第四日である。」
聖書の記述(創世記1:14-19)
ただし